第30回日本機械学会東海支部イーブニングセミナー 先進医療に貢献する機械工学
【共催】
名古屋大学工学部機械系同窓会東山会
【協賛】
精密工学会東海支部,日本設計工学会東海支部,化学工学会東海支部,自動車技術会中部支部,計測自動制御学会中部支部,日本塑性加工学会東海支部
【開催日】
2011年11月4日(金)18:00~20:00
【内 容】
18:00~ 講演1:「小型Cバンド加速管を用いた高精度画像誘導放射線治療装置の開発」
三菱重工業(株) 機械・鉄鋼事業本部
機械事業部副事業部長 平井 悦郎 氏
(概要)がん治療法の一つとして、外科治療(患部切除)、化学治療(抗がん剤)と匹敵する治療法として近年治療成績が向上している放射線治療を行う治療装置を開発した。本装置は、従来の放射線治療装置に画像支援機能(2対のイメージャ、ポータルイメージャ、赤外線カメラ)を有機的にインテグレートした装置で、画像誘導放射線治療装置(Image-Guided Radiotherapy機、略して、IGRT機)と呼ばれる。これにより、定位放射線治療や強度変調放射線治療(IMRT)など脳・体幹部の高精度治療を、早く簡単に行うことができるようになった。剛性が高く且つ精度の高いリング型ガントリを用いて正確な照射ができ、且つ、90度の直交する二つのイメージャによる任意角方向からの同時透視画像、一つのイメージャによるCBCT画像を用いて、骨構造・患部をすばやく同定して、位置決め補正できる。特に正側直交同時撮影像は、従来の装置にない使いやすい画像支援機能である。一旦位置決めした後、患者は動かさず、治療照射ビームの方向設定など、ガントリ側で行うという独自のセットアップ思想を採用し、患者にやさしく、治療中の位置決めに対する信頼性が格段にすぐれている。なお、本装置は、クラス〓医療機器であり、2008年1月に厚生労働省の薬事承認を取得し(承認番号:22000BZX00028000)、2008年5月より先端医療センタにおいて保険適用治療が開始されている。
19:00~ 講演2: 「世界の救急医療の現場から ~Trauma Center~」
名古屋大学医学部救急・集中治療部
前 米国Indiana University 外科 祖父江 恵 氏
(概要)近年、救急医療、災害時救助、医療において、工学の分野が進出しようとしている場は多い。しかし、現在の日本におけるこれらの医療、システム自体が、世界からは大幅に遅れを取っている。そして、工学分野の研究者は、実際の現場を見ることなく、想像の世界で、新たな研究・開発をすることとなる。果たして、本当に必要なもの、求められるものが開発されるのか。苦心したあげく、無用の長物になってしまうのか。研究段階では、どれだけ医師・救急隊などの意見を聞いても、明快ではない。今回の講演は、具体的に、何を開発してほしい、というような具体的提案はしない。世界の実際の救急医療現場、日本では、絶対に聞くこともない、見ることもない、想像を絶する殺伐とした現場を見せる。世界トップレベルの医療で、人の命を救い続ける毎日を送る、外傷外科の現場を見てほしい。そこから、みなさんが、感じ、考え、自分たちが工学の立場から、何が求められるのか、探索していただきたい。日本の病院では味わうことのできない臨場感を味わってください。こんな世界もある、ということを。
【申込締切】
2011年10月14日(金)
【定員】
60名
【申込方法】
東海支部ホームページ(http://www.jsme.or.jp/tk/)からお申込みください.詳細はホームページをご覧ください.ハガキ,FAX,E-mailにてもお申込みできます.「東海支部第29回イーブニングセミナー申込み」と題記し,(1) 氏名,(2) 参加券送付先(勤務先か自宅かを明記),(3) 勤務先(所属先)名称・所属部課名・所在地,(4) 電話番号・FAX番号・E-mailアドレスをご記入の上,下記までお申込みください.