第19回トワイライトセミナ- プラント・ライフサイクル・エンジニアリングにおけるCAE技術の活用状況
【趣 旨】
当部門は機械学会の中でも,とりわけ横断的色彩が濃い部門である.対象は,建設機械,農業機械,食品(加工)機械など,多くの産業機械関連分野,そして,化学装置,化学プラント等,化学品製造に関わる化学機械関連分野である.当部門はこの特長を生かし,多種多様な関連産業に共通する課題を見いだし,情報の共有化,情報の発信をしていくことを使命と考えている.その一つとして「安全」を取り上げている.
また,関連する機械が多種多様であることから,社会で実務経験を有する技術者も多彩であることを示している.今日のように複雑化した機械技術においては,各技術者が専門とする技術のみでは解決できない場合も多々あると考える.複数の技術の融合により,より高度な技術に発展していく可能性がある.そのためには,情報収集と懇談の場を提供する必要があると考えて,本企画を計画した.今後も定期的に開催していく予定である.
【講演要旨】
プロセス開発からプラントの設計,運転,保全,さらにはその廃棄までを対象としたプラント・ライフサイクル・エンジニアリング (Plant Lifecycle Engineering, PLE)において,近年高度な Computer Aided Engineering(CAE)技術が求められる場面が増えている.海外のLNG製造プラントでは,プラントの大型化,高度化,複雑化が急速に進み,設計段階でその設備性能や安全性評価を行うためには,これまでの設計技術に加え,高度なCAE技術の利用が必須となっている.また国内においては,プラントとオペレータの高齢化,環境・省エネルギー等への意識の高まりに伴い,設備の健全性診断や改造案検討ツールとしてCAE技術が活用されている.本講演では,プラント・ライフサイクル全般にわたるCAE技術の特徴や効果,また実際の利用状況について事例を交えて紹介する.
【講 師】
小木曽 良治
千代田アドバンスト・ソリューションズ(株) 熱流動ユニット