一般社団法人 The Japan Society of Mechanical Engineers

メニュー

第117回講習会  「防災技術の現状と将来展望」

2012年1月26日 | 東海支部研究発表講演会

【協賛】
精密工学会東海支部,自動車技術会中部支部,計測自動制御学会中部支部,日本材料学会東海支部,日本設計工学会東海支部,日本塑性加工学会東海支部

【趣 旨】
3月11日の東日本大震災により,東北および関東地方は大きな被害と多くの死傷者を出した.東日本の復興および放射能汚染の防止と除染は現在もなお重要な課題である.このような事態において,機械工学は日本の復興に向けて何ができるのか,を改めて問われている.本講習会では主に防災ロボットに焦点を当て,防災ロボットの現状と将来展望について紹介する.

【内 容】
10:25~10:30 開会挨拶 東海支部支部長 三菱重工業〓 神納 祐一郎

10:30~11:40 基調講演 「津波災害の特徴とその対策」 原田 賢治 准教授(静岡大学 防災総合センター)
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、岩手、宮城、福島をはじめとする広域にわたる地域において、津波による甚大な被害が発生しており、現在も被災地の社会では災害が継続している状況にある。リアス式海岸で知られる東北地方の三陸海岸では、過去にも繰り返し津波に襲われ被害を受けてきており、津波対策が行われていたが、今回の津波はその対策を超えて沿岸地域を襲っている。この講演では、沿岸域を襲う津波についての特徴を解説するとともに、津波災害の防災対策や課題についても解説を行う。

11:40~12:40 「レスキューロボットコンテストの紹介と将来展望」 奥川 雅之 准教授(愛知工業大学 コンテストの副実行委員長)
「レスキューロボットコンテスト」(略称「レスコン」)は,災害救助を題材としたロボットコンテストであり,防災や災害対応に関する啓発や広報を主眼として開催されている.レスコンの競技フィールドには,被災した人間を模擬した人形「レスキューダミー」(愛称:ダミヤン)が置かれている.参加チームは,壁で隔てられた場所から遠隔操縦ロボットを用いて,レスキューダミーを救出する.本講演では,レスキューロボットコンテストの歴史,使用している技術を紹介するともに,人材育成や将来展望などについて述べる.

(12:40~13:30 昼食休憩)

13:30~14:30 「災害対応ロボット」 田所 諭 教授(東北大学 国際レスキューシステム研究機構)
東日本大震災の災害対応では様々なロボットシステムが活用され,その有効性や問題点などが明らかになった.特に,福島原発へは,米国のPackbotや,国産のQuinceのみならず,国産の無人化施工ロボットが多数適用され,作業員の被爆低減に大きく貢献している.しかしながら,事故の終息までには種々の困難な作業を長期間にわたって行う必要があり,そのためにはさまざまなロボットシステムが不可欠であるため,集中的な研究開発が求められている.本講演では,それら災害対応ロボットの現状について紹介すると共に,今後必要な研究開発課題について議論する.

14:30~15:30 「災害現場における無人ヘリコプタの活用」 鈴木 弘人 主管 (ヤマハ発動機〓 スカイ事業推進部)
原子力発電所の事故は大規模災害のひとつであり、航空機を用いた空中からの観測が大いに役立つ。しかしながら有人機では搭乗員の被ばくが大きな問題であり、その活動には制限が生じる。この問題を解決するために無人機による放射線量の高い地域での観測方法が研究されて来た。
当社では、2007年より(社)日本宇宙工業会を通じて原子力安全技術センターの依頼で無人ヘリによる空中放射線モニタリングシステムの研究を行っている。また、今回の福島第一原発の事故においては文部科学省を通じて、(独)日本原子力研究開発機構の依頼で原発から半径20km付近の緊急避難準備区域で放射線量計測を実施したので、これらについて紹介する。

(休憩 15:30~15:40)

15:40~16:40 「建設機械のロボット化」 吉灘 裕 主幹研究員(〓小松製作所 コマツ研究本部)
現在の建設機械は,電子化,自動化,遠隔化,情報化など,多くのロボット技術と情報化技術によって支えられている.土木施工の効率の向上,安全性の確保,そして作業環境の改善を目指していく中で,建設機械のロボット化技術は,ますますその重要性を増していくものと考えられる.また新興国の建機メーカの追従を許さないためにも,これらの建設機械の高度化技術は,日本のメーカにとってきわめて重要な側面となっている.
ここでは無人建機,情報化建機,遠隔操作など,建設機械のロボット化の最新動向と,消防ロボットや地雷処理機など,建機派生のロボット機器について実例を中心に紹介する.

16:40~16:45  閉会の挨拶

【定 員】
100名

【申し込み締切】
2012年1月15日(日)

会場
名城大学 名駅サテライト 多目的室 (名古屋駅前SIAビル13階)
(名古屋市中村区名駅3-26-8)
参加登録費

【参加費】
会員4,000円,会員外6,000円,学生員1,000円,一般学生1,500円
(参加費は事前に銀行振り込みをお願いします.会員および会員外の方の当日現金払い時は上記参加費+1,000円となります)

申し込み先

【申込み方法】
東海支部ホームページ(http://www.jsme.or.jp/tk/)からお申込みください.

問い合わせ先

【申込先・問い合わせ】
日本機械学会東海支部
TEL&FAX (052) 789-4494
E-mail: tokaim@nuem.nagoya-u.ac.jp

イベント一覧へ