シミュレーションと実験で学ぶ制御系設計入門
2012年2月09日 - 2012年2月10日 | 機械力学・計測制御部門講習会主催No.11
【趣 旨】
「位置決め制御」を例にして,フィードバック制御系設計の基礎を実践的に学ぶ講習会です. 制御工学を実際の設計に生かせるよう,講義に加えてMATLAB /Simulinkによるシミュレーションと実際にPID制御によって円板を位置決めする実験を交えた体験型カリキュラムを構成しました.動的システムの表し方(微分方程式,ブロック線図,伝達関数),フィードバック制御系の設計法(極配置,ボード線図)などの理論的な内容から,実用微分(ノイズ対策をした微分コントローラ),目標値フィルタ,アンプの飽和などの実用的な内容までを扱います.位置決め制御系のP,I,D制御それぞれの働きを「質点・ばね・ダンパ系の運動」と関連づけて,わかりやすく説明します.また,各制御の働きを,位置決め制御の実験装置で体感します.
【題目・内容・講師】
1日目(2月9日)
10:00~12:00 動的システムの表し方(栗田裕,高島博)
微分方程式と特性方程式,ブロック線図(メリット,作り方,使い方),伝達関数,力と運動の関係,開ループによる位置決め,MATLAB /Simulinkの基本操作
13:00~15:00 DCモータを用いた円板の回転位置決め(栗田裕,大浦靖典)
DCモータのモデリング,定常特性,過渡特性,電圧パターンによる回転位置決め
15:00~17:00 PID制御による位置決め(栗田裕,大浦靖典)
位置のフィードバックと位置偏差のPID制御(P:比例,D:微分,I:積分), P,I,Dの働き(P:ばねの復元力,D:ダンパの粘性抵抗力,I:偏差をなくす力)
2日目(2月10日)
10:00~12:00 極配置による制御系設計(栗田裕,大浦靖典)
運動方程式と入出力の伝達関数,極の位置とシステムの安定性・応答性,極配置によるPIDゲインの決定,目標値応答と外乱応答(2自由度制御系),目標値フィルタ
13:00~15:00 ボード線図による制御系設計(栗田裕,大浦靖典)
周波数伝達関数,ゲインと位相,ナイキスト線図とボード線図,ナイキストの安定判別法,ゲイン交点と位相余裕,PIDコントローラの調整
15:00~17:00 フィードバック制御の実例 (栗田裕,高島博)
磁気浮上,倒立振り子台車,立ち上がりロボット,LEGO NXTを用いた倒立振子の制御,自動車関連の実例と動向
栗田裕(滋賀県立大学教授),大浦靖典(滋賀県立大学助教),高島博(MathWorks Japan)
【定 員】
30名(申込み先着順により,定員に達ししだい締め切ります.)
【聴講料】
会員20 000円(学生員10 000円),会員外30 000円(一般学生15 000円)
いずれも教材の代金を含みます.聴講料は,開催日の10日前までに着金するようご送金願います.なお聴講券発行後は,取消しのお申し出がありましても返金できませんのでご注意下さい.
【教 材】
聴講者への教材の配付は当日受付にて行います.事前配付はいたしておりません.教材のみご希望の方には,1冊につき会員2 000 円,会員外3 000 円にて頒布いたしますので,代金を添えてお申し込み下さい.講習会終了後発送いたします.