307回講習会 「破壊力学の基礎と最新応用(実験実習・計算演習付き)」
【協賛】
日本金属学会関西支部,日本建築学会近畿支部,日本原子力学会関西支部,日本航空宇宙学会関西支部,
自動車技術会関西支部,日本材料学会関西支部,精密工学会関西支部,日本船舶海洋工学会関西支部,
日本塑性加工学会関西支部,日本複合材料学会,土木学会関西支部,溶接学会関西支部,日本ガスタービン学会,
日本伝熱学会,高分子学会関西支部,地盤工学会関西支部,資源・素材学会,日本接着学会,複合材料界面科学研究会,
日本鋳造工学会関西支部,プラスチック成形加工学会,炭素材料学会,日本材料強度学会,日本鉄鋼協会関西支部,
日本非破壊検査協会関西支部,日本溶接協会大阪府支部,日本鉄道技術協会,日本高圧力技術協会,日本セラミックス協会,
日本コンクリート工学協会近畿支部,強化プラスチック協会,腐食防食協会関西支部,日本技術士会近畿支部,
日本工作機械工業会,滋賀経済産業協会,京都工業会,奈良工業会,兵庫工業会
破壊力学は,近年多発している金属疲労などが原因の重大事故を未然に防ぎ,安全で健全な機械構造物を提供するために用いられる重要なツールとなっています.適用範囲は大型構造物から電子部品まで多岐にわたり,製品の設計,生産,評価の各段階において,構造物の強度計算や余寿命評価だけでなく,製造方法や品質保証などの観点でも幅広く活用されています.また対象となる材料は,金属材料はもとよりセラミックや先進複合材料にまで及び,さらに動的荷重下や高温,腐食などの環境下での評価も行われています.
本講習会では第一線でご活躍の方々を講師にお迎えし,このように広く普及している破壊力学について,基礎から最新の技術開発動向までを平易かつ具体的にご講演していただきます.また,講義内容の理解をより深めていただくために実験実習および計算演習をプログラムに取り入れており,受講者全員が実際に破壊力学評価法を体験して頂けます.若手設計者や研究者,学生の方々はもちろん,すでにこの方面に携わっておられる技術者の方にとっても有益な内容となっておりますので,多数のご参加を希望いたします.
【キーワード】
破壊力学,き裂,応力拡大係数,破壊じん性,疲労,余寿命評価,腐食疲労,応力腐食割れ,高温疲労,高温クリープ,J積分,CTOD,エネルギー解放率,ローカルアプローチ法,R曲線法,特異場パラメータ,接合・接着,金属材料,セラミックス,先進複合材料,構造物,電子部品
【題目・内容・講師】
5月27日(木)
9.00~11.00
1.「破壊力学の考え方」/大阪大学 大学院工学研究科 久保司郎
破壊力学の基礎となる「き裂の力学」を,破壊力学に特有のき裂先端近傍で支配的な特異応力場の概念およびエネルギーバランスに基づいて解説し,き裂の強度評価に際して必要となる応力拡大係数,J積分,CTOD,エネルギー解放率などの破壊力学パラメータの意味と役割について,具体例を交えながら説明する.
11.10~12.20
2.「破壊じん性値とその試験方法」/大阪大学 大学院工学研究科 田川哲哉
主として,金属材料の破壊じん性の評価法,破壊じん性を構成する要因,破壊じん性値に影響を及ぼす各種因子の影響などについて解説するとともに,ASTM,ISO,BS,日本機械学会などの試験規格とその動向について紹介する.
13.10~14.20
3.「疲労き裂進展問題に対する破壊力学の適用」/広島大学 大学院工学研究科 菅田 淳
疲労き裂進展特性とその破壊力学による評価法,ならびにASTM規格を中心とする疲労き裂進展試験法およびき裂開閉口の計測法などについて説明する.
14.30~15.40
4.「環境強度問題に対する破壊力学の適用」/大阪大学 大学院工学研究科 箕島弘二
応力腐食割れおよび腐食疲労き裂進展に対する破壊力学の適用法について解説するとともに,腐食環境中で使用される構造部材の余寿命評価と破壊事例解析に対する破壊力学の応用例について述べる.
15.50~17.00
5.「高温強度問題に対する破壊力学の適用」/京都大学 大学院工学研究科 北村隆行
高温クリープ条件下におけるき裂先端近傍の応力・ひずみ速度場とそれを規定する破壊力学パラメータについて解説するとともに,高温疲労き裂伝ぱに対する破壊力学の適用法について述べる.
5月28日(金)
9.00~9.05実習・演習要領の説明
(A班)
9.05~11.05
1A.「破壊じん性値測定の実験実習」/(株)島津製作所 分析計測事業部
11.20~12.00
2A.「応力拡大係数の計算演習」/大阪大学 大学院工学研究科 井岡誠司
13.00~14.10
3A.「破壊力学に基づく機器配管の破壊防止設計と構造健全性維持評価」/三菱重工業(株) 高砂研究所 吉本賢太郎
構造物の強度設計,余寿命評価,保守などに破壊力学がどのように適用されるかを解説するとともに,原子力機器・配管における考え方,基準をもとに圧力容器や配管等への適用法を紹介する.また,関連する最近のトピックス(ローカルアプローチ法に基づく破壊靱性のマスターカーブの解釈等)についても論ずる.
(B班)
9.05~9.45
1B.「応力拡大係数の計算演習」/大阪大学 大学院工学研究科 平方寛之
9.45~10.55
2B.「破壊力学に基づく機器配管の破壊防止設計と構造健全性維持評価」/三菱重工業(株) 高砂研究所 吉本賢太郎
(3Aと同じ)
11.10~12.00,13.00~14.10
3B.「破壊じん性値測定の実験実習」/(株)島津製作所 分析計測事業部
14.20~15.30
4.「セラミックスおよび先進複合材料の強度評価に対する破壊力学の適用」/名城大学 理工学部 田中啓介
セラミックスの破壊力学パラメータの評価法,R曲線法,静的および動的き裂進展の強度評価法について述べる.さらに,異方性材料の破壊力学による先進複合材料の強度評価への適用について述べる.
15.40~16.50
5.「接合・接着問題への破壊力学,特異場パラメータの適用」/岐阜大学 工学部 服部敏雄
ほとんどの機械・機器はその生産性,メンテナンス性などから多くの締結,結合部を有している.しかしこれら機械・機器の強度,信頼性のトラブルの多くはこの締結・結合部で起こることに注意する必要がある.この原因はそもそもこれら締結・結合部での力の流れが複雑で,詳細な強度解析が困難な点にある.ここでは,接合・接着部の最大の弱点部位となる界面及び端部について破壊力学及び最大特異場パラメータを適用した強度評価法について概説する.
【その他】
(1)「ルート(平方根)を計算できる電卓と筆記用具」を必ずご持参下さい(計算演習で使用しますので忘れないようお願いします).
(2)昼食は両日ともお弁当とお茶を用意いたします.
(3)申し込み受付後,聴講券をお送りしますので両日とも必ずご持参下さい.
(4)協賛学協会員の方も本会会員と同様にお取り扱い致します.
(5)受講をキャンセルされる場合は2日前までにご連絡願います.2日前までにご連絡のない場合は聴講料をお支払いいただきます.