東北地区特別講演会 先端インタフェース
【プログラム】
(1)16.00~16.50「実世界に情報を宿す拡張現実感インタフェース」
講 師 苗村健 先生(東京大学 電子情報工学科 准教授)
内 容 ネットワークインフラが整備された現在,生活空間にまで溢れ出した情報を如何に負担なく人に提示するかが大きな課題になっている.実世界の映像の上にバーチャルな情報を重ね描きする拡張現実感の研究は,ネットワークで届いた情報に人がアクセスする効果的な手段を提供するものである.本講演では,ディスプレイの中で重ね描きする従来のアプローチに対して,実世界そのものを情報で満たすことによって,位置計測などの負担を強いることなく,円滑な情報提示を行う枠組みを紹介する.従来の「位置計測に基づくコンピューティング」に対して,これを「情報を宿すアプローチ」と呼び,その適用可能性について述べる.
(2)17.00~17.50「人間科学と生活ニーズに基づく多様なバリアフリー工学研究の展開」
講 師 井野秀一 氏(産業技術総合研究所 主任研究員)
内 容 少子高齢化が急速に進む我が国では,QOL(Quality of Life)の向上と共にバリアフリー社会の実現は急務の課題となっています.このような背景のなかで,加齢や病気あるいは事故などで「手足」の機能や「聞く」「話す」「見る」ための機能に障害のある人たちを科学技術で支援する健康・福祉工学とその周辺領域の基礎研究や応用研究を産学官連携で進めてきました.今回は,これまでに携わってきた運動機能支援や情報バリアフリーに関する機器開発について,人間科学やバーチャルリアリティとの係わりも含めながら紹介いたします.