デシカント空調システムの基礎理論と最新技術
〔協賛 日本冷凍空調学会〕
(企画 環境工学部門)
趣 旨
デシカント空調システムは,さまざまな低温排熱や太陽熱などの再生可能エネルギーを利用して快適な湿度空間を作ることができる
ため,省エネルギー化,再生エネルギーの利用拡大および快適な居住空間の創出に有効な技術として注目を集めています.
ただし,利用熱源温度に見合ったデシカント剤の開発と選択,建物の種類や熱負荷に適したシステムの設計・施工と運転,システム
の効率向上,コストダウンなどの課題があり,市場において普及がまだ十分でないと言えます.
本講習会は,デシカント空調システム技術の一層の進展と市場拡大につながる情報提供を目的として,デシカント空調システムの
基礎知識から,最新のデシカント剤の動向およびデシカント空調のオフィスビルへの応用に至るまでの内容を取り上げ,実務経験の
豊富な講師によって,基礎理論と最新技術動向と実用例を紹介します.
本講習会は,主に企業の技術者や学部・大学院の学生の方々を対象としております.多数のみなさまの参加をお待ちしております.
題目・内容・講師
10.00~11.00/(1) デシカント材の基本特性と吸脱着サイクルの基礎
各種水蒸気吸着材の特徴・開発動向とデシカントロータ・デシカントブロックの吸脱着挙動の基礎を概説する.
金沢大学 理工研究域機械工学系 児玉 昭雄
11.00~12.00/(2) 固体式デシカント空調システムの基礎
早稲田大学大学院 基幹理工学部 機械科学・航空学科 山口 誠一
(12.00 ~13.00 休憩(60分))
13.00~14.00/(3) ハニカムロータ型除湿機の進化と展望
ハニカムロータ型除湿機進化の歴史とデシカント空調システムの新しい可能性について解説する.
西部技研(株) 開発本部 岡野 浩志
14.00~15.00/(4) ハイブリッド空調システム(DESICA)
吸着材を熱交換器の上に塗布したハイブリッドDESICA素子によって直接冷却吸着,直接加熱脱着を可能とし,ヒートポンプの排熱での吸着材の再生を可能とした調湿外気処理機DESICAについて概説するとともに,DESICAと温度処理に特化することによって効率を向上したビル用マルチエアコンを組み合わせた潜熱・顕熱分離空調システムの性能向上を狙った開発を行い,実在の建築物における実証試験結果および省エネ建築物(グリーンビルディング)に本システムが採用された際の実証評価結果について説明する.
ダイキン工業(株)テクノロジー・イノベーションセンター 松井 伸樹
(15.00~15.15 休憩(15分))
15.15~16.15/(5) 無着霜ヒートポンプに関する研究
ヒートポンプで暖房・給湯等加熱する場合,熱交換器の表面温度が0℃以下になると,空気中の水蒸気が凝縮・凍結して霜が付着(着霜)する.熱交換器に着霜が起きると,過熱能力が低下するだけではなく,霜を溶かす(除霜)ための運転で電気をより多く消費することになる.当研究所では,ヒートポンプの高効率化に向けて,無着霜ヒートポンプの研究開発に取り組んでいる.本稿は,無着霜ヒートポンプのシミュレーション及び実験結果を紹介する.
(一財)電力中央研究所 エネルギーイノベーション創発センター 張 莉
16.15~17.15/(6) 排熱の活用
排熱を活用したデシカント除湿システムの事例紹介.
新晃工業(株) 営業第1部第1課 山口 雅弘
定 員 50名,申込先着順で定員になり次第締切ります.
教 材 教材のみの頒布はいたしません.