実践に向けた最適設計法~多目的最適化/近似最適化編
2018年9月06日 | 設計工学・システム部門講習会主催No.18-41
[本講習会は定員に達したため、お申込みの受付を終了しております]
企 画 設計工学・システム部門
協 賛(予定) 精密工学会,自動車技術会,日本航空宇宙学会,日本設計工学会,日本計算工学会,塑性加工学会,日本船舶海洋工学会
開催日 2018 年 9月 6日(木)
主 旨
近年,市販CAEソフトウェアには最適設計機能が標準的に装備されるようになり,そのソフトウェアによって最適設計を使い始めたという技術者が増えてきました.そのような技術者が,最適設計に対する知識を深めるには二つの方向性があります.一つは最適解に対する数学的な根拠を求める方向であり,もう一つは最適設計がどんな分野で利用できるかといった利用範囲の広がりを求める方向です.この講習会では,後者に焦点を当て,最適設計法の第一線で活躍する専門家が,最適設計に関するいくつかの分野における「実践に向けた」最適設計を紹介します.このテーマで,昨年度は「トポロジー最適設計」および「ロバスト最適設計」に焦点をあてて開催しました.今年度は「多目的最適設計」および「近似最適設計」に焦点を当てた講習会を開催します.
題 目
- 10:30-11:50
「多目的最適設計の考え方とその応用」
大阪府立大学大学院工学研究科 教授 小木曽 望
最適設計法を適用するには,設計問題を多角的に捉えることが必要となる場合が多い.そのためには多目的最適設計の考え方が有効である.そこで,多目的最適設計の考え方といくつかの解法を説明する.そして,多目的設計問題を通して,制約条件が最適解分布におよぼす影響を調べた事例を紹介する.
昼食・休憩(70分)
- 13:00-14:20
「逐次近似最適化の考え方とその応用」
金沢大学理工研究域 教授 北山 哲士
計算コストの高いシミュレーションに対して最適設計を行う場合,応答曲面近似を用いた方法が有効である.また,近年ではデータを段階的に追加していき,精度の高い最適解を得る逐次近似最適化の有用性が認知されつつある.本講演では,逐次近似最適化の考え方を説明し,生産技術分野へ適用した事例を紹介する.
休憩(10分)
- 14:30-15:50
「最適化の実践事例紹介」
香川大学工学研究科 教授 荒川 雅生
本講演では,具体的な最適化の実践事例に関してそのいくつかを紹介する.例えば,厚板のラウンド曲げの場合,厚板の曲げと言う非線形性の高い解析が必要となる.そして,非線形パラメータを正確に把握することは困難である.結果として解析結果を利用してラウンド曲げを実践することが難しい.ところが,材料パラメータの同定に多目的近似最適化を利用することで,実験結果に合うパラメータの同定が可能であり,それに基づいた解析から現実にあった曲げ方法の提案ができる.このような材料パラメータの同定方法に関する実例を紹介する.さらに,混合変数問題への対応として遺伝的アルゴリズムを用いた大規模な問題への対応の事例を紹介し,少しの工夫で規模の問題への対応が可能であることを紹介する.
休憩(10分)
4. 16:00-17:20
「生物由来の最適化手法について」
北海学園大学 名誉教授 杉本 博之
北武コンサルタント株式会社 技術士 阿部 淳一
本講演では,組み合わせ問題,およびスケジューリング問題の解法について説明する.前者については,比較的広域の地域の道路ネットワークが自然災害により破壊された場合,被災地域の補修順をGAにより解を求める.この時,設計変数の吟味,および設計問題の定義,従来あまり説明されてこなかった過程についての解説を試みる.さらに,最適化の実設計への応用例として,Ant Colony Optimizationの道路線形最適化問題への応用について説明する.ここでは,道路線形の最適化問題へ適したアルゴリズムの改良と,設計例について解説する.
5. 17:20-17:40
質疑応答&まとめ
定員 50名
教 材
教材のみ希望の場合は,また聴講者で教材を余分にご希望の方は
Web (https://www2.jsme.or.jp/fw/index.php?action=kousyu_index&gyojino=18-41) からお申し込み下さい.
1冊につき,会員4000円,会員外6000円にて頒布いたしますので,開催前に予約申込み下さい.講習会終了後発送いたします.