第21回リーダーを目指す技術者倫理セミナー -組織は危機意識を共有できないか:なぜ同じ間違いを繰り返すのか-
2018年11月10日 | イノベーションセンター 技術と社会部門主催No.18-137
(技術と社会部門,イノベーションセンター 合同企画)
協賛(予定)
日本技術士会,可視化情報学会,計測自動制御学会,自動車技術会,精密工学会,ターボ機械協会,日本計算工学会,日本航空宇宙学会,日本塑性加工学会,日本鋳造工学会,日本マリンエンジニアリング学会,日本ロボット学会,溶接学会,化学工学会,日本建築学会,土木学会,電気学会,日本化学会,電子情報通信学会,日本船舶海洋工学会,日本航海学会
開 催 日 2018年11月10日(土)10.00~17.00
今回のテーマおよび論点
「危機意識の共有」
すぐれた組織であっても、100%完全に業務を遂行することはできない。どのような組織でも間違いを起こす恐れはある。
しかし、同じ間違いを2度起こすのは、組織として恥ずべきことであるが、そのような組織がいくつか存在する。
例えば、雪印乳業、JCO、三菱自動車、JR西日本などである。雪印乳業の初回は、1955年とかなり古く、そのときの経験が生か
されず、2000年にも食中毒事件を起こしている。また、1997年に動燃・東海村で起きた再処理工場での被ばく事故を知りな
がらJCOでは、申請書とは異なる処理方法の変更を繰り返し、1999年に東海村で臨界事故を起こしている。
三菱自動車では、2000年と2004年の2度のリコール隠しののち、2016年の燃費不正問題である。
JR西日本は、2005年の死亡者107名の福知山線の事故ののち、2017年に起こった、のぞみ号の台車に破断寸前の亀裂が
生じていたときの対応のまずさである。他社が同種の不祥事、事故を起こしていたなら、詳細を把握できないため、対策などが立て
られないこともあるが、自社で起こした不祥事、事故に対して反省し、2度と起こらないように対策を考え、組織で共有しておれ
ば、2度目の不祥事の起こる確率は小さくなる。
上記の例では、不祥事に対する詳細な情報を組織が共有できてなく、したがって対策も立てられてなく、2度目の不祥事、事故が起
こったと考えられる。手引き、マニュアルを詳細に作成し、行動規範のセミナーで組織内教育を行っている組織も少なくないが、マ
ニュアルに記述された内容以外の現象が起こることも多く、マニュアル以外の対応を迫られることも少なくない。
事象や対応はときの経過によっても変わってくる。
そこで今回は、事例として、前述の4社が不祥事を繰り返した背景、経緯について述べ、
・同じ間違いを繰り返す原因は何か。
・危機意識を共有するにはどうしたらよいか。
の点について皆さんと考えてみたい。
参加者の経験、知識に基づいた討論課題を考えており、グループ課題については配付資料に記載する。
セミナーでは、次の手順により議論を進める。
1.事前に配付された資料による自主学習
2.「テーマおよび論点」説明
3.グループワークにおいて、意見交換し、自分の意見を明らかにする
4.全体討論において自分の立場を明確にして議論する
事前に配付する資料を読んで頂いて、参加されることを前提とする。
プログラム
10.00~10.10/セミナーの趣旨説明、本日の進め方
横浜国立大学 大学院工学研究院 教授(主査)高田 一
10.10~10.40/組織における価値の共有
東京工業大学 イノベーションマネジメント研究科 特任教授 中村昌允
10.40~11.50/事例の説明(雪印乳業、JCO、三菱自動車、JR西日本)および討議の進め方
KoPEL 技術士 小西義昭
オカダ・アソシエイション 技術士 岡田惠夫
11.50~14.00/グループワーク
・同じ間違いを繰り返す原因は何か。
・危機意識を共有するにはどうしたらよいか。
14.00~17.00/技術者倫理に関する全体討論
明治大学 理工学部 准教授 村田良美
中村昌允
小西義昭
岡田惠夫
司会 高田 一
定 員 30名 特に若手技術者のご参加を歓迎いたします。30名を超えた場合は、若手の方を優先させていただきます。