東北地区特別講演会「医療ロボット・医療機器の開発と実用化」
2019年1月17日 | ロボティクス・メカトロニクス部門特別講演会主催No.18-167
企画 ロボティクス・メカトロニクス部門
一般社団法人 次世代センサ協議会 東北支部
開催日 2019年1月17日(木) 15:00~18:20
プログラム
(1) 15:00~16:00
「医療機器開発と実用化の課題」
講師:池田浩治(東北大学臨床研究推進センター 開発推進部門 部門長/特任教授)
医療機器の技術は必ずしも最先端技術とは言えない。一方で、最先端技術を用いた医療機器だからといって実用化できるとも限らない。医療機器開発の世界的な流れの中ではニーズプル(社会的課題に基づいた研究開発)という考え方が隆盛であるが、それだけでも実用化には至らない。ここでは、医療機器開発を実用化に繋げるために必要なことについて考えたいと思う。
(2) 16:10~17:10
「ロボットPCIの現状と問題点」
講師:上野高史(久留米大学病院循環器病センター 教授)
冠動脈インターベンション(PCI)はイノベーションの歴史でもある。この40年間で血管内治療デバイスは目覚ましい進歩を遂げ、複雑病変にも対応可能となった。しかしながらPCIを行う術者を取り巻く環境はほとんど変化がない。海外のデータでは術者の放射線白内障、整形外科的障害のみならず、左脳に脳腫瘍の発現が多いことが報告されている。今回のロボットPCIでは、術者はベッドサイドからシールドされたコックピットへと移動し、ガイドワイヤー、バルーン、ステントの位置決めを行うことができる。被ばく量は90%以上の軽減が可能と言われている。本講演では、術者ができること、術者のメリット、さらに患者には何がもたらされるのかにつき考察したい。
(3) 17:20~18:20
「医工連携オープンイノベーションへの挑戦」
講師:島田順一(京都府立医科大学 心臓血管呼吸器外科 病院教授)
医学と工学の連携研究、ひいては産学連携研究をへて実社会に成果を還元できる研究
開発スキームに期待が集まっている。公立医科大学所属という工学とは距離を置いた
立場のなかで、医工連携研究を進めるには知的財産権を申請取得することが不可欠で
あった。臨床医による医療機器開発の実例と医工連携オープンイノベーションへの挑戦について述べる。