一般社団法人 The Japan Society of Mechanical Engineers

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関西支部 第361回講習会 「構造・強度設計における数値シミュレーションの基礎と応用」

2019年5月28日 - 2019年5月29日 | 関西支部講習会

協 賛

日本材料学会関西支部,日本金属学会関西支部,日本鉄鋼協会関西支部,日本塑性加工学会関西支部,日本複合材料学会,溶接学会関西支部,日本建築学会近畿支部,日本原子力学会関西支部,日本航空宇宙学会関西支部,自動車技術会関西支部,精密工学会関西支部,日本非破壊検査協会関西支部,大阪府溶接技術協会,日本船舶海洋工学会関西支部,土木学会関西支部,日本ガスタービン学会,日本鉄道技術協会,京都工業会,兵庫工業会,奈良経済産業協会,滋賀経済産業協会,日本技術士会近畿本部,大阪科学技術センター,日本溶射学会西日本支部,日本伝熱学会,日本ロボット学会,日本騒音制御工学会,日本マリンエンジニアリング学会,電気学会,計算科学振興財団

 

日 時  2019年5月28日(火)10:00~17:00 ,29日(水)9:30~17:00

 

会 場    大阪科学技術センター 8階 中ホール

[大阪市西区靱本町1-8-4/06-6443-5324/地下鉄四つ橋線「本町」駅下車,28号出口北へ400m]

 

趣 旨

近年ますます複雑化する機械構造物の挙動を把握し,設計の合理化や期間短縮を図るために,数値シミュレーション技術が幅広く

適用されています.目的に合った精度のシミュレーション結果を得るためには,対象物の構造・強度・現象を本質的に理解し,適正

にモデリングすることが不可欠です.本講習会では,構造・強度設計に係る数値シミュレーションに不可欠な基礎知識や理論を分か

り易く解説するとともに,産業界における種々の適用例を基に,モデリングや結果の妥当性を考える上での留意点や勘所を具体的に

説明します.これからシミュレーション技術を身につけようとされる方はもとより,既にある程度の知識や技術をお持ちの方にとっ

ても,スキルアップにつながる絶好の機会ですので,ぜひご参加ください.

 

キーワード

数値シミュレーション,構造・強度設計,衝突・衝撃,破壊,構造最適化,トライボロジー,マルチスケール,金属材料,複合材料

 

題目・内容・講師

第1日目:5月28日(火)

10:00~12:00       構造解析のための数値シミュレーション:基本原理とテクニック

汎用コードに代表されるように,数値解析手法は,機械/機器構造や部品の評価や設計に至るまで,幅広く利用されている.モデル

化された構造や材料データは,計算機の中でどのように処理されているのか?境界条件を変えると解はどのように変化するか?

など,有限要素法を用いて解にいたる基本原理を説明する.さらに,いくつかの具体的な話題について,適用事例を示す.

京都大学 大学院エネルギー科学研究科  今谷 勝次

 

13:00~14:00       FEM解析の留意点と適用事例(使用済み核燃料輸送容器の衝撃解析)

原子力発電所で発生する使用済み核燃料を輸送するための容器(キャスク)は,タイプによっては100tを超える重量を有しており,

輸送時の安全性を確保するために衝撃を吸収する緩衝体が設置されている.信頼性の高いキャスク本体および緩衝体を設計するため

に,シミュレーションが有効なツールとして用いられている.ここでは,数値シミュレーションの構造・強度設計への適用事例とし

て,キャスクの落下衝撃解析を紹介する.精度のよい解析を進める上での留意点を紹介しつつ,落下試験のシミュレーション方法を

実験結果との比較も含めて説明する.

Hitz日立造船(株) 事業企画・技術開発本部 技術研究所 ものづくり基盤研究センター  岡田 潤

 

14:15~15:45       構造設計問題に最適設計法を活用するために

市販のCAEツールにも最適設計機能が導入され,最適設計法が利用しやすくなってきた.CAEツールではアルゴリズムを意識するこ

となく, 最適解を導くことができるため,簡単に使える反面,思うようにいかないこともある.特に,基本項目をうまく押さえて

おかなければ,例題のようには収束しない.しかし,実際の設計問題に適用する際には,基本項目をうまく押さえるための工夫

(ノウハウ)も必要となる.そこで本講義では,構造設計問題に最適設計法を適用した際の失敗事例と,工夫により成功に至った事

例を紹介することで,最適設計の難しさと面白さを伝えたい.

大阪府立大学 大学院工学研究科 航空宇宙海洋系専攻  小木曽 望

 

16:00~17:00       電機製品の信頼性設計における数値シミュレーションの活用

開発・設計期間の短縮と製品の高信頼性の両立が求められる中で,数値シミュレーションの有効活用は極めて重要である.電機製品

設計においては,個々の製品が多機能で評価項目が多い,多品種であるために一件あたりの開発費や開発期間が制限される,などの

課題があり,信頼性確保を目的とした場合,全ての製品に同様の数値シミュレーションを適用することは必ずしも有効とは言えな

い,ここでは,「線形解析による品質作りこみ促進」,「構造最適化による製品開発」等の紹介を通じて,数値シミュレーションを

有効に活用するための方法論と適用例を解説する.

三菱電機(株) 先端技術総合研究所 機械システム技術部  越前谷 大介

 

 

第2日目:5月29日(水)

9:30~11:00         繊維強化複合材料の数値モデリングとマルチスケール解析技術

今後,輸送機器分野では軽量な部素材を適材適所に使う「マルチマテリアル化」による最適設計が望まれており,比強度・比剛性に

優れる繊維強化複合材料(FRP)の適用拡大が期待されている.本講義ではFRPを対象に,その数値モデリング手法やマルチスケー

ル解析技術について概説する.テキスタイル複合材料の解析システムや,水素燃料自動車用貯蔵タンクの強度評価,射出成形におけ

る局所流動解析など構造解析・強度評価等について事例を挙げて説明する.

大阪大学大学院工学研究科 ビジネスエンジニアリング専攻  倉敷 哲生

 

11:15~12:15       衝撃シミュレーションに必要な動的材料特性の構成モデルとその高精度化

衝突・衝撃シミュレーションでは,材料の変形特性(真応力-真ひずみ関係)にひずみ速度依存性を考慮する必要があり,そのため

に種々の構成モデルが提案されている.一方,材料の破断を伴う解析を行う場合,高ひずみ域までの変形特性が必要となるが,通常

の引張試験ではネッキング発生以降に三軸応力状態となるため,構成式で必要な単軸状態での変形特性を求めることは容易ではな

い.ここでは,各種構成モデルの大変形域かつ広いひずみ速度域への適用性を明らかにするとともに,引張試験を再現したシミュレ

ーションからネッキング発生以降の三軸応力状態を単軸応力状態へ補正する手法について説明する.

伊藤忠テクノソリューションズ(株) 技術戦略グループ 科学システム本部  津田 徹

 

13:15~14:15       陸・海・空の輸送機器における耐衝突・衝撃設計への数値シミュレーションの適用

数値シミュレーション結果は,様々な仮定のもとに導き出される近似解であり,必要とされる精度のシミュレーション結果を得るた

めには実験結果との整合性に注意する必要がある.ここでは,実験による数値シミュレーションの妥当性の確認における留意点・勘

所について,地下鉄車両の衝突,コンテナ船のスラミング,および航空機翼への鳥衝突を対象とした耐衝突・衝撃設計への数値シミ

ュレーションの適用事例を基に説明する.

川崎重工業(株) 技術研究所 強度研究部  和泉 徳喜

 

14:30~15:45       接触問題における数値シミュレーションの基礎と機械部品への適用

機械部品の接触面において,摩擦係数は最も予測困難なパラメータの一つである.まず,表面における数ナノメートル程度の厚さの

潤滑剤の存在によって機械特性が大きく変化するため,系のアスペクト比が極端であり,3 次元的なモデリングが困難である.

また,接触する二面および介在する潤滑剤の三者の,表面粗さからテクスチャリングに至るマルチスケールな表面形状における応力

や熱に対する材料特性が複雑に絡まりあっているため,第一原理的に積み上げて予測する必要が本来あるからである.

ここでは,ナノレベルからの摩擦予測について,固体潤滑,境界潤滑,流体潤滑のそれぞれに関するシミュレーション技術を紹介

し,マクロスケールの機械設計につなげるための展望について述べる.

兵庫県立大学 大学院 シミュレーション学研究科  鷲津 仁志

 

16:00~17:00       自動車鋼板溶接部の破断シミュレーション手法と部材強度評価への応用

自動車部材の組立に多用されるスポット溶接部の破断防止策を検討するために,高精度な破断シミュレーション手法が求められてい

る.スポット溶接部の破断形態と強度は材料,負荷モード,溶接部寸法等の影響を受け,この複雑な挙動を精度良く評価することが重

要となる.そこで,応力三軸度に着目し,上記因子の影響を統一的に考慮しうる破断判定基準を提案するとともに,これをFEM解析モ

デルに組み込んだ破断予測手法を構築した.ここでは,破断判定基準の導出方法と,種々の材料・板厚等の組合せによる溶接部の破断

予測結果について述べる.

新日鐵住金(株) 技術本部 鉄鋼研究所  上田 秀樹

 

定 員            100名

申込締切         2019年5月21日(火)(締切り後でも定員に余裕があれば受け付けますので,お問合せください)

 

その他

(1) 申込受付後,聴講券をお送りしますので,両日とも必ずご持参ください.

(2) 協賛学協会員の方も本会会員と同様にお取り扱いいたします.

(3) 受講をキャンセルされる場合は2日前までにご連絡願います.2日前までにご連絡のない場合は聴講料をお支払いいただきます.

※お申込みの際にご提供いただいた個人情報は,当該行事の運営業務のために利用するほか,当支部が主催する講習会・セミナーのご案内のために利用させていただきます.今後のご案内が不要の場合はお知らせください.

※記録用に写真を撮影し,ニュースレターなどに掲載させて頂くことがございます.ご了承下さい.

会場
大阪科学技術センター 8階 中ホール(大阪市西区靱本町1-8-4)
参加登録費

〔2日間の参加の場合〕

会員 30,000円(大学,官公庁関係15,000円,学生員4,000円)/会員外50,000円(会員外学生8,000円)

 

〔1日のみの参加の場合〕

会員 20,000円(大学,官公庁関係10,000円,学生員4,000円)/会員外30,000円(会員外学生8,000円)

※学生は参加日数にかかわらず同一料金です.

※学生員から正員へ資格変更された方は,卒業後3年間,学生員価格で聴講することが可能です.希望される方は申込時に通信欄にてその旨ご連絡下さい.

申し込み先

関西支部ホームページ(http://www.kansai.jsme.or.jp/)より申し込みができますので,ご利用下さい.

郵送,FAXまたはE-mailの場合は「関西支部第361回講習会申込」と題記し,(1)氏名・会員資格,(2)勤務先・所属部課名・住所,

(3)通信先,(4)所属学協会名,(5)送金方法・送金額(内訳)・送金予定日および請求書の要・不要,(6)1日のみ参加の場合は参加日を

明記のうえ,関西支部宛お申し込み下さい.聴講料は後日送付する請求書に記載の銀行口座または郵便振替口座宛ご送金下さい.

現金書留または当日支払いも受け付けます.

 

申込先

一般社団法人日本機械学会関西支部

〒550-0004 大阪市西区靱本町1-8-4 大阪科学技術センタービル内

TEL:06-6443-2073 FAX:06-6443-6049 E-mail:info@kansai.jsme.or.jp

 

申込締切
2019年5月21日

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