「自動車運動力学」~気持ちよいハンドリングのしくみと設計~(動画解説・開発エピソード付)
(主催:日本機械学会 交通・物流部門)
開催日 2019年9月17日(火)
趣 旨
自動車の操縦性は,多数の性能項目からなり,「気持ちよさ」の領域で競合しています.したがって気持ち良いハンドリング性能の車両を設計するためには,「気持ち良さ」を運動学的に理解した上で,全性能を俯瞰することが有効であろうと考えます.
そこで本セミナーでは,その全貌を,酒井英樹著「自動車運動力学~気持ち良いハンドリングのしくみと設計」の内容を基に,著者作成「動画」や「開発エピソード」を交えながら,「お気楽に」語ります.
本セミナーが想定する受講者は,操縦安定性やタイヤ,操舵系,サスペンション,タイヤ,制御システムに携わる自動車メーカーやサプライヤーのエンジニアの方,そして操縦安定性に興味のある学生の方です.
受講に必要な学力は,高校+αの力学と数学ですので,気楽に受講できるかと存じます.
なお本セミナーは,会場使用の条件として利益が出ないように企画されています.
内 容
9:20~16:45 (途中適宜休憩) 開場は9:05です.
・車両のモデル化:他社比較可能な表記法~ヨー慣性半径係数とコーナリング係数~/注意を要する操舵系弾性
・定常円旋回性能:尻流れ感と舵角の大小
・腰で感じる後輪の横力発生:グリップ感(横加加速度・ヨー進み時定数モード)
・手で感じるハンドルからの力:後輪の横力発生が操舵反トルクに現れるしくみ/操作感の評価指標群
・手で感じるハンドルの動き:操舵系の固有振動数と減衰比/力で操舵したときの不安定現象とそのモード
・目で感じる車体の傾き:ロールの大きさ/旋回時のピッチング/ピッチングによる錯覚
・スポーツ走行性能:加減速時の旋回限界/FF,FR,RR(MR)の特徴と車両企画
・動的応答の基礎:ヨー共振とそのモード
・限界性能の基礎:スピン(オーバー)とプラウ(アンダー)/スラローム時の限界/耐転覆性能
・旋回時の減速安定性:タックイン/旋回制動(減速によるヨーモーメントとコーナリング係数変化)
・外乱安定性:車両流れ/轍路安定性
・性能設計:上記性能と設計諸元の関係/諸性能の両立法/設計変数の決定順序
講 師 近畿大学工学部 酒井英樹
資料は,一週間前ごろにご連絡するアドレスから参加者の皆様にダウンロードして頂きます.