2010年特別フォーラム 技術の伝承に今どう取り組むべきか?
【開催趣旨】
関西支部では2008年から会員サービスの一環として「地球温暖化防止・エネルギー問題に機械技術が今どう取り組むべきか」「巨大災害に工学・技術が今どう取り組むべきか?」といったタイムリーなテーマを毎年取り上げ,無料のフォーラムを実施してまいりました.2010年の特別フォーラムでは,団塊世代の現職からのリタイヤ時代にあって,若手技術者や技術系学生に団塊世代が取り組んできた技術への変革・挑戦・創造を語っていただき,意見を交換できる場を企画しました.講師には,日本の機械技術をリードしてこられたトップエンジニアの方々を招き,開発した製品の裏話,関わってきたプロジェクトの思い出や,次代を担う技術者の心に残るアドバイスをしていただく予定です.多数のご参加をお願いします.
【プログラム】
司 会 日本機械学会 関西支部 常務幹事 田中正夫(大阪大学教授)
13.00-13.05 開催挨拶 日本機械学会 関西支部 支部長 塩路昌宏(京都大学教授)
13.05-13.45 「原子力機器の設計技術と人材育成」
三菱重工業(株)神戸造船所 原子力機器設計部 主席技師 北条公伸
原子力機器メーカとして,機器設計者の育成は最重要課題の一つであり,重要機器の設計に関する材料力学の役割は非常に大きい.今回,原子力機器設計者を育成する観点で,産業界(企業)・大学での役割を提示する.
13.45-14.25 「商品開発と映像思考」
(株)神戸製鋼所 機械事業部門 圧縮機事業部 汎用圧縮機工場 技術統括担当部長 松隈正樹
量産される産業機械の商品開発におけるコンセプト,要件確立,原価,DR,品質対策の各課題を解決し,市場で望まれる商品として開発成功させるための基本と思考方法について報告.
14.25-15.05 「世界を見渡し未来を見よう」
(株)荏原製作所 理事 風水力機械カンパニー 開発統括部 副統括部長 後藤彰
海外留学や産学連携を通じ,自分が属する組織の外の人と接する事で「人脈の連鎖」が起こり,新しい発想に基づく基盤技術の構築に成功した体験を紹介し,未来を切り開く上で,外の世界と接する事の大切さを述べる.
(休憩)
15.25-16.05 「企業におけるオリジナリティーの追求とその実現」
川崎重工業(株)技術開発本部 技術企画推進センター プロジェクト部長 理事 原田英一
技術者にとっての最大の喜びは,自分自身の生み出したオリジナルな製品が世に出て,広く使われることである.これを企業において実現していくために必要な心構え等を,自身が関わった技術開発の経験から述べる.
16.05-16.45 「自然に学ぶ─500系新幹線電車の開発&走行試験の経験から─」
(株)新大阪ステーションストアスペース監査役
(元JR西日本(株)総合企画本部技術開発室長&試験実施部長) 仲津英治
新幹線電車で最大の騒音源である,パンタグラフにフクロウの静穏飛行の原理を生かし,翼型パンタグラフを開発したこと.一番苦労したトンネル微気圧波問題で,各種取組みを行ったところ,500系新幹線の先頭形状がカワセミの嘴に近似したこと.
(休憩)
16.50-17.30 全体討論
司会 日本機械学会 関西支部 副支部長 古藤悟
(三菱電機(株)機械技術部会長 長崎製作所副所長)