一般社団法人 The Japan Society of Mechanical Engineers

メニュー

特別講演会 出藍セミナーシリーズ

2022年1月21日 | バイオエンジニアリング部門特別講演会No.21-99

企  画:日本機械学会 バイオエンジニアリング部門

開催日時:2021年10月-2022年1月の間に6回を予定,平日18:00-19:00

 

趣  旨

バイオエンジニアリング部門所属の若手研究者と学生が構成する組織「出藍会」を中心とし,分野や世代を超えた新たな「出会い」を提供するセミナーシリーズにより,各自の研究,ひいては部門全体の活性化を図ります.具体的には,下記の2種類の企画を実施します.

(i)        部門外の研究者に,専門分野の俯瞰的な内容を踏まえた研究紹介をしていただき,新しい研究の着想や最新技術等の動向を取り入れた討論から,バイオエンジニアリングにおける新たな研究分野開拓を目指します.

(ii)       部門内のシニア・中堅の学会員と共に,部門内外の研究動向や,機械系学生・大学院生へのバイオエンジニアリング教育の在り方,今後の部門の在り方について,講演と座談会を通して議論します.

 

内  容

各回,講師による30分ほどの講演ののちに,座談会を30分程度行います.

後半の座談会では,事前に募集した質問と,テレビ会議システムのチャット機能などでリアルタイムに寄せられた質問を司会が紹介する形式で,講師と議論を深めていきます.

 

スケジュール

第1回 2021年10月15日(金) 18:00-19:00

講師:宇都 甲一郎 先生(物質・材料研究機構)

講演タイトル:スマートポリマーを基軸とした材料開発とマテリオバイオロジー研究への展開

キーワード:マテリオバイオロジー、スマートポリマー、形状記憶高分子、流動性高分子

研究紹介:特定の生物学的機能を操作することができる新しい材料の開発には、材料と生物学の相互依存関係を解明することが必須であり、材料物性や特性が細胞、組織、臓器、そして生物全体のスケールで生物学的機能に及ぼす影響を研究する分野は「マテリオバイオロジー(Materiobiology)」として注目されている。私は、動的概念を組み込んだ高分子系材料の開発を進め、生体内と同様な動的環境を材料により創出したり、その動的性質に起因する新奇な細胞現象の探索や細胞操作技術の構築を目指して研究を行っている。特に、外部刺激に応答し形を変化させる「形状記憶高分子」や液体として振る舞う「流動性高分子」を細胞培養基材として応用する研究を精力的に行っている。

研究室HP: https://www.nims.go.jp/bmc/group/smartbiomaterials/
researchmap: https://researchmap.jp/uto_koichiro
Google Scholar: https://scholar.google.com/citations?user=H4Mj9bAAAAAJ&hl=ja

 

第2回 2021年10月22日(金) 18:00-19:00

講師:庄司 観 先生(長岡技術科学大学)

講演タイトル:人工細胞膜システムの応用展開 ~生物と機械のインターフェイス構築を目指して~
キーワード:人工細胞膜、ナノポアセンシング、バイオロボティクス、DNAナノテクノロジー
研究紹介:バイオセンサやバイオロボットなど生体材料と人工材料を組み合わせたバイオハイブリッドシステムは、生物特有の機能を付加することが可能であるため、新たな機械システムとして注目されています。しかしながら、従来のバイオハイブリッドシステムにおいては、生物と機械のインターフェイスに関して十分検討されていないため、生物や機械が本来持つ機能を引き出すことが困難でした。そこで私は、生物と機械を細胞スケール・分子レベルで繋ぐインターフェイスの構築を目指し、人工細胞膜システムに関する研究を行っています。人工細胞膜システムでは、脂質二分子膜に再構築したナノチャネルを通過する分子を電気的に計測することが可能です。そのためもし、細胞と人工細胞膜システムをナノチャネルで接続することができれば、ギャップジャンクションのように生物と機械の間で分子のやり取りを行い、電気的に検出することが可能な細胞-機械情報通信インターフェイスの構築が可能であると考えています。特に私のグループでは、人工細胞膜を特定の領域に形成するプローブ型人工細胞膜システムやDNA構造体を用いた合成ナノチャネルに関する研究を行っています。

 

 

第3回 2021年11月4日(木) 18:00-19:00

講師:鈴木 宏冶 先生(Blue Practice株式会社)

講演タイトル:大学発スタートアップのチャレンジ ―医療生体モデルビジネスを通して考えること―
キーワード:医療用生体モデル、サイエンスとスタートアップ、ストーリー変更、スタートアップマインド
研究紹介:大学院で数理生態学の研究を通して数理モデルとコンピュータシミュレーションを経験したのち1989年に日本IBM大和研究所の入所。IBMでは主にUNIXマシンでの半導体チップの実装設計用のCADシステムの開発とシステムインテグレーションに従事し、その後日本オラクルを経由して、1996年に米国Oracle本社に赴任。シンリコンバレーでのハイテク企業のビジネスプロセス、カルチャーそしてマインドを学ぶ。その後帰国してシリコンバレーのソフトウェア企業であるAgile Software社の日本法人の立上げに参画し企業経営の仕事をスタートする。2006年からシアトルに拠点を置くネットワーク機器のグローバル企業であるF5 Networksの日本法人の経営に参画し、グローバルサービスビジネス部門の責任者として日本法人の経営に従事。2014年より東京大学のビジネスクラスに入学して社会システムデザインを学ぶ中で医療システムの課題に興味をもち、それを契機として2019年Blue Practice社を東北大学とともに設立して医療用生体モデル事業をスタート。医療生体モデルの可能性を追求し、それを活かした医療トレーニングの高度化と医療デバイスの性能評価の新しいアプローチを提案することを目指している。
Blue Practice株式会社: https://bluepractice.co.jp/

 

第4回 2021年11月26日(金) 18:00-19:00
講師:熱田 生 先生(九州大学)

講演タイトル:歯科治療への応用を目指した間葉系幹細胞研究

キーワード:間葉系幹細胞、口腔インプラント、薬剤関連顎骨壊死、再生、ミトコンドリア

研究紹介:間葉系幹細胞(MSC)は優れた増殖能や分化能、さらには炎症制御能を有することが知られており、組織再生だけでなく様々な疾患の治療に対し広く研究が進められている。しかも、誰もが身体に有している細胞であり、採取が容易であることから早期の臨床応用が期待される。しかし、投与されるMSCの状態や疾患のステージが患者ごとに異なるため、必要とされる細胞数、投与の時期などを症例ごとに調整しなければならないなど、まだいくつものハードルがある。本発表では、MSC治療を日常の歯科治療に応用するためにはさらにどのような研究が必要なのか、また実際に今どの程度の研究が進んでいるのか、我々の研究室での成果を中心に話をさせていただきつつ、我々とは異なる視点での皆さんのご意見を聞けたらと期待するものである。

researchmap: https://researchmap.jp/Atsuta-Ikiru

 

第5回 2021年12月8日(水)18:00-19:00
講師:中澤 嵩 先生(大阪大学)

講演タイトル:流れ場の形状最適化問題と生体工学への応用

キーワード:形状最適化問題、Navier-Stokes方程式、有限要素法、人工透析、Graft

研究紹介:最適設計は様々な工学・産業界において必須技術であり,特に流れ場を対象とする際には自動車工学/船舶工学/航空工学等の工学分野で積極的に活用されている。このような最適設計は,寸法最適化/形状最適化/トポロジー最適化等が代表的であるが,計算機性能の向上と共に遺伝的アルゴリズムやベイズ最適化,更には近年では強化学習を基礎技術としたものまで開発されている。その中でも講演者は,変分問題を土台とした形状最適化問題を専門とし,その基礎研究として高速な流体場(強い非線形性が存在する場合)に対して効率的に制御が可能な最適設計手法を開発してきた。また,生体工学への応用として,人工透析で用いられる人工血管(Graft)の最適設計を行ってきた。その際,血栓が発生しないこと,動脈硬化の遠因とされる乱流の発生を抑制することを念頭に置いた目的関数が定義された。

Researchmap:https://researchmap.jp/7000006991

数学協働プログラム:http://coop-math.ism.ac.jp/report/show/2016E01

 

第6回 2022年1月21日(金)18:00-19:00

講師:大島まり 先生(東京大学)

企画タイトル:日本機械学会・バイオエンジニアリング部門の明日を考える

内容紹介:日本機械学会会長をご経験された大島先生と、機械学会やバイオエンジニアリング部門の現状と今後について講演・座談会形式で議論します。議題としまして、(1) 現代の機械工学とは何か? (2) 日本機械学会に求められている社会的役割は? (3) 日本機械学会(機械工学)におけるバイオエンジニアリング部門の意義は? などを予定しております。若手の研究者の方々にもぜひご参加いただき、今後の分野の発展とご自身の研究の方向性を考えるきっかけにしていただければと思います。上記の議題に対するご意見や大島先生へのご質問などがございましたら、参加申し込みフォームにお寄せ下さい。当日も、Zoomのチャット機能を使ってご意見、ご質問を募集します。

 

定  員

研究者・技術者および学生,各回100名程度

 

備  考

  • 本セミナーは特別講演会とし,発表内容は公表いたしません.講演論文集の発行はありません.
  • セミナーの内容は録画し,参加登録者を対象として期限を区切って限定公開します.ただし,セミナーの内容に対する撮影や記録は禁止します.

 

■会場

Zoomによるオンライン開催

 

■参加登録費

無料

 

■申込方法

以下のMicrosoftフォームから,参加登録と講師への質問などの投稿をお願いします.登録された皆様に,別途,メールにてZoomアドレスを連絡します.

第1回参加フォーム 申し込みを締め切りました

第2回参加フォーム 申し込みを締め切りました

第3回参加フォーム 申し込みを締め切りました

第4回参加フォーム 申し込みを締め切りました

第5回参加フォーム 申し込みを締め切りました

第6回参加フォーム 申し込みを締め切りました

 

■申込締切

各回のセミナー開催日の3日前を予定しておりますが,開催日により多少の前後があります.メーリングリストによる各回のアナウンスをご確認ください.なお,申込先着順により,定員になり次第参加申込を締切とさせて頂く場合があります.

 

■申し込み・お問い合わせ先

バイオエンジニアリング部門 若手による次世代戦略委員会

委員長 大谷 智仁(大阪大学)

E-mail: bewakate-kouryu@jsme.or.jp

会場
オンライン開催

イベント一覧へ