一般社団法人 The Japan Society of Mechanical Engineers

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産業現場における安全行動の最適化のための多角的アプローチ ‐ウェルビーイング、行動分析、ネガティブ/ポジティブリスクの考え方

2022年3月29日 - 2022年3月29日 | 産業・化学機械と安全部門トピックス特別講演会No.22-19

(産業・化学機械と安全部門 企画)
開催日 2022年3月29日 (火) 14:00~16:00
会 場 オンライン開催(Zoom)

 

主 旨
当部門は多種多様な関連産業に共通する課題を見いだし,情報の共有化,情報の発信をしていくことを使命と考えている.その一つとして「安全」を取り上げている.
産業安全行動分析学研究会では今回,産業現場における作業者の安全行動を考えるために一貫してチームで行っているアプローチを紹介する.ひとつは,昨今「持続可能な到達目標(SDGs)」で話題のウェルビーイング(WB),作業者の行動に焦点を当てて定量的かつ客観的な安全行動への測定・評価・予測を行う行動分析手法,そしてこの二つを融合させた新たなリスクの考え方を紹介する.

講演要旨
現在,我が国の職場には多様な作業スタイルが存在し,それに伴い作業内容や周辺環境とのかかわり方も変化している.当然のことながら,作業者側の精神的・身体的状態も変容することが考えられるが,今のところ作業者に焦点をおいた研究はほとんど存在していない.
SDGsの活動が精力的に社会に取り込まれ,人々のWBの向上が叫ばれ始めている中,産業の現場での作業者のWBについての知見はあまり浸透しているとは言えない.また,それを評価する手法も限られているのが現状である.本講演では,心理学的な見地からのWBの概説と,我々が産業現場で行った作業スタイルとWBとの関係を提供する.また,WBとは,作業者の感じる持続的な幸福感と一般的には言われてはいるものの,それを客観的・定量的に評価するためには、作業者の行動の分析が不可欠である.作業者のWBと同時に作業行動においても客観・定量評価が必要とのことから,我々はそれぞれの専門家がチームを成し,実証実験を行っている.行動分析の領域からは,作業の行動を解析して,トポグラフィー(行動の型)から機能分類を試みる方法の解説を行う.
作業現場においては,安全と同様に生産性も重視されるのは言うまでもないことである.実際には職場においては,リスクの低減を目指しリスクアセスメントを行っており,作業者の不安全行動の削減に腐心している.しかしながら,時には安全性と生産性が相反する事象のような受け止めをされる場合が少なくないこともまた事実である.これらの問題は,作業者がリスクがある職場から許容可能なリスクの身の職場で働くことをゴールとするならば,ある程度正しいといえる.しかしながら,昨今の世界の潮流である,ウェルビーイングを考慮すると,安全な職場だけでは「作業者のWB」の達成には到達しない.作業者のWBが満たされれば,意図的な不安全行動はなくなり,生産性も向上する.このように,今まで機械安全の中で語られてきたリスクを仮にネガティブリスクとするならば,作業者のWBを満たすためにはポジティブなリスクも必要との見解から,我々はWB,行動分析,をして機械安全の専門家チームでの研究を進めている.
本講演では,我々が最近現場で行った実験の結果と,それぞれの分野に特異的な安全行動に対する考え方を概説し,今後の展開の可能性について言及する.


講 師
北條理恵子 研究会主査,長岡技術科学大学システム安全工学専攻 准教授
菅知絵美 労働安全衛生総合研究所 新技術安全研究グループ 特任研究員
是村由佳 コレムラ技研バラスト事業部
清水尚憲 労働安全衛生総合研究所 建設安全研究グループ 部長


プログラム 

1)14:00‐14:05 研究会開催の説明 北條理恵子 長岡技術科学大学
2)14:05‐14:35 Well-being‐社会心理学からの二つの見地 菅知絵美 労働安全衛生総合研究所
3)14:35‐15:00 Well-being尺度を用いた作業現場での実証実験事例の紹介 北條理恵子 長岡技術科学大学
4)15:00‐15:30 組織のWell-beingを高める原理‐Thoma Gilbertのperformance matrixの活用 是村由佳 株)コレムラ技研バラスト事業部
5)15:30‐16:00 Well-beingを取り入れたpssitive risk‐これからの協調安全に関する一考 清水尚憲 労働安全衛生総合研究所


定 員 90名

 

参加費 正員・特別員 1,000円,学生員 無料,会員外 2,000円,一般学生 500円.
※参加費は全て税込み価格です.本会の消費税の取り扱いについては,「よくある質問」をご参照ください.
※特別員の資格(会員扱い)で行事に参加される場合,聴講料は正員(税込)の価格となります.下記申込先フォームの会員資格は「特別員」を選択し,「会員番号」に「行事参加料割引コード」(xxxxxxx-xxxx)をご記入ください.
※「特別員行事参加無料券」を利用される場合,聴講料は無料となります.予め「特別員行事参加無料券(原本)」をご用意の上,「特別員」としてお申込みください.「無料参加券を利用する」と「コンビニ決済」を選択して申込完了後,担当職員まで「自動返信メール」「行事参加無料券(原本)」をご郵送ください.

 

注意事項
 本セミナーはZoomを利用してオンラインで開催いたします.
 新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため,視聴される方の安全を考慮し,複数人での視聴ではなく参加者お一人ずつ個人単位でお申込みください.
 遠隔セミナー参加のための技術的なサポートはできませんので,ご了承ください.
 参加者による,セミナーの静止画/動画撮影,録音は禁止です.「レコーディング」ボタンで録音することは法律で禁止されています.
 当日の発表の音声,スライドの著作権は発表者に帰属します.

 

必要なもの
 視聴用のパソコン*必須
 スピーカーとマイク(質問をする際に必要となります)
 ウェブカメラ(PCに内蔵されているものでも構いません.必要に応じてご用意ください)
 有線または無線ブロードバンドのインターネット接続*必須
 必ず前日までに機材の事前準備と動作確認をした上でご参加ください.
 (Zoomの場合)Zoomの事前テスト方法
https://zoom.us/test(外部リンク)
 ログインの際は,参加者氏名,所属名を表示ください.

 

聴講料の支払いについて
 参加費については,必ず3月18日(金)までに決済をお願いします.視聴用URL・資料の送付は開催の5日前を予定しております.
※連絡がない場合は,お手数ですが開催前日までに問い合わせ先までご連絡ください。
 参加登録のシステム利用料として,上記聴講料とは別に220円(税込)をご負担いただきます.
 申込受付メールにお支払情報が記載されておりますので,入金締切日を必ずご確認下さい.申込時期により支払い期限が異なります.
 原則として,決済後はキャンセルのお申し出がありましても返金できませんのでご注意願います.
 領収書はWEBにて取得いただけます.取得URLはお支払完了のメールにてご連絡致します.

会場
オンライン開催
申し込み先

「イベントペイの導入について」に記載の注意事項を予めご一読の上,3月18日(金)までに下記より1名ずつお申込みください.

正員・特別員・会員外・一般学生はこちら

https://eventpay.jp/event_info/?shop_code=6791237415745854&EventCode=1541961208

 

学生員の方はこちら(無料の方も,参加人数把握のため事前申込をお願いいたします)
https://eventpay.jp/event_info/?shop_code=6791237415745854&EventCode=6137430446

問い合わせ先

〒162-0814 東京都新宿区新小川町4番1号 KDX飯田橋スクエア2階
一般社団法人 日本機械学会 産業・化学機械と安全部門(担当職員 大橋)
電話:03-4335-7614
E-mail:ohashi@jsme.or.jp

申込締切
2022年3月18日

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