回転機械(ターボ+モータ)の振動:基礎および事例研究ならびにデモ実習
2023年10月11日 - 2023年10月12日 | 機械力学・計測制御部門ハイブリッド開催若手CP対象講習会主催No.23-86
回転機械(ターボ+モータ)の振動:基礎および事例研究ならびにデモ実習
(機械力学・計測制御部門 企画)
開催日 2023年10月11日(水),10月12日(木)
会場 日本機械学会 会議室/Zoomオンライン
趣旨
ロータダイナミクス「回転機械の振動」は,回転に伴う不釣合い遠心力,ジャイロ効果,回転軸・軸受相互作用,翼振動など多くの要因が関係し,通常の静止構造物振動とは様相を異にします.これらの力学を系統的に理解する試みとして,「正・続 回転機械の振動」「実践 機械システムの振動」「演習 機械システムの振動」などの解説本を出版しました.本書では基礎理論を実機でよく遭遇する振動問題の事例が多く含まれています.
本セミナーは,さらにその理解を深めるために,回転機械の振動問題の事例研究を通じ,問題の捉え方や解決に向かっての知識の集約の過程を解説いたします.またより身近に振動問題を体験的に感じていただくために,本質を突いたモデル実験や計算機シミュレーション実験(HIL, Hardware In the Loop)ならび演習問題などを行います.ロータ振動対策の考え方の神髄や技術ポイントを,過去の現役時代の経験を踏まえて,各著者自らが解説するセミナーです.
従来のターボ機械の振動に加え,近年のモータ駆動系やメカトニクス回転機器関連の振動・制御技術者に実務にも役立つようにメニューを揃えました.これらの分野の振動問題解決に向けての実践的な知識を教授します.
回転機械の開発・設計者,加えて現場で運転やメインテナンス・振動診断に従事する方々を対象としています.また,ロータ振動の知見を新たに吸収されたい方,今までの経験的知識を体系的に再構成する方などにも好適です.
日程・内容
時間 | テーマ | 内容 | 講師 (敬称略) |
Day 1
9:30-11:30(2H) |
1. すべり軸受とシール関連の力学と振動トラブルシューティング事例研究 |
すべり軸受で支えた回転機械ロータの不釣り合い振動,オイルホイップ,流体励起振動それぞれの直接原因が明らかにされているにもかかわらず,実機を使用する現場でこれらの振動トラブルが多数見られる.実機の振動事例解析を通して,直接原因の起動にまで至る根本原因とシナリオの多様性,および振動防止対策について解説します.
① 不釣り合い振動 : 回転機械架台の曲げ剛性不足,軸と軸受の固体接触,軸の急速温度変化による塑性曲がり,組立ロータの緩みによる不釣合い増加,軸の異方性曲げ剛さによる倍周波加振,など ② 自励振動 : 軸受静荷重を減少させる蒸気力,マルチスパンロータの軸受アライメント変化,ティルティングパッドジャーナル軸受のパッドピボット機能喪失,軸の角偏位振動,など |
東京大学 名誉教授田中正人 |
11:40-12:00
昼休憩:1h 13:00-14:50 (2H+)
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2
強制振動と自励振動の基礎と事例研究 |
実機の振動問題の事例をもとに,異なる振動現象を区別して振動低減の対策を検討します.
① 強制振動編:不釣合い振動対策としてバランシング(モード別影響係数法)と構造変更,転がり軸受振動,動静翼干渉 (ZZENF),ねじり振動ダンパなど ② 自励振動編:各種メカニズムを説明,すべり軸受やシールでの散逸エネルギ,ベントリー・ムジンスカモデル,スクィーズフィルムダンパによる減衰追加 |
元IHI
小林正生
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15:00-17:00
(2H) |
3.
ブロック線図で表した動的システムの振動解析 |
ブロック線図(ロータ(制御対象相当)+ 軸受(制御器相当))に対応したシステムに対する制御的視点,特に開特性からの振動解析を伝授する. ① 開特性,ゲイン交差周波数,位相余裕,ベクトル軌跡 ② 制御的視点かからみた新しい振動評価法と計算法の提案③ 実機不釣合い振動応答・閉特性から開特性への変換と解析④ モータ駆動系におけるロータダイナミクスの適用事例(電磁力共振,音バランス,ねじり振動動吸振器など) |
元日立製作所
防衛大学校 松下修己
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時間 | テーマ | 内容 | 講師 (敬称略) |
Day 2 9:00-11:00 (2H) |
4. 振動診断士と状態監視認証技術 |
予防保全のためのCBM(状態監視)が作今取りあげられつつあり,ITや最新のセンシング技術と関連して状態監視の技術が注目されている.振動診断士の技術レベルの向上とレベル修得後の証明(認証)が,グローバルに展開されています. 我国では,日本機会学会のもと,ISO準拠振動診断士制度が継続運営され,カテゴリーごとに振動診断士が数多く誕生しています. 本講では,新しく振動診断士となる方々のために,認証試験精度について紹介し,機械の振動診断を行うに当たってのCMB技術のコアとなる世界標準の基礎知識レベルを紹介します.ISO準拠CMB技術者教科書から,カテゴリーⅢを中心として認証試験に出題が予想され,比較的理解しにくい問題について正しい理解を深めます. 1. ISO準拠振動診断士認証試験制度について 2. 状態監視技術の知識 3. 状態監視技術に関連した問題(ISO準拠教科書)の解説 4. 認証試験への対応と振動診断士制度の今後 |
元川崎重工 (KHI) 古池治孝 |
11:10-12:10 (1H) |
5. 回転機械の振動計測 |
回転機械の開発や運転にとって計測が重要であることを実例に基づき解説し,振動計測の基礎と実際を示す.振動の評価に関し各種規格を踏まえ解説する.さらに筆者が推進してきたモード円(ポーラプロット)を用いた釣り合わせや異常診断への応用についても解説する. 1. 計測の重要性 2. 振動計測の道具(センサー,FFTなど) 3. 計測項目(加速度,ギャップ,回転パルスなど..) 4. 信号処理(生波形,オービット,モード円など) 5. 振動評価(振幅,速度,加速度)各種規格 6. モード円分析の応用例 7.まとめ |
元三菱重工 (MHI) 神戸大名誉教授 神吉博 |
昼食 | |||
13:00-16:20 (3H+) |
6. 振動解析デモ(実験とHIL) |
[A] デモ実験により振動解析を体験する. ① 振動モードの観察実験 ② 円板モードの共振条件実験 (羽根車,多極モータの必要知識)[B]「HIL+振動計測」 実験デモにより振動解析の理解を深める. (1)周期構造物の共振(モータ電磁力共振) (2)モータ駆動系の高次ねじり振動モード制御 (ASR,ATR,動吸振器) |
デモ実験 神吉博 HIL 松下修己 協力 藤原浩幸 (防衛大学校教授) 新川電機Kenjin |
16:20-16:30 | 7. まとめ |
総合討論 | 全員(対面+online) |
定 員 最大100名
(申込み時のご希望により選択可,定員に達ししだい締め切ります)
JSME会議室への入室は30名まで,オンライン参加なら100名まで受付けます.
聴講料(税込) 正員30,000円(学生員15,000円),会員外50,000円(一般学生25,000円)
※いずれも税込み,教材代込み
教 材 「実践 機械システムの振動」,「演習 機械システムの振動」 いずれもコロナ社発行
※ご入金確認できた方に順次教材を郵送いたします.
※本講習会には教材のみの販売はありません.また,教材をすでにお持ちの方も同料金となります.
申込み締切:2023年10月3日(火) まで
○いずれも教材2 冊分の代金を含みます.
※教材を事前に郵送いたしますので,必ず期日までにお申込み下さい.
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