講習会「CFDの基礎とノウハウ」
【趣 旨】
商用コードの台頭に例を見るように,CFDは設計や予備試験のツールとして有効に用いられるようになっています.このような状況にも関わらず,CFDには普遍的な手法が確立しておらず,様々な離散化法・スキーム・物理モデルの中から,着目している現象に対する適切な選択が必要です.ところが,一般ユーザにとってこの選択は非常に困難であり,商用コードを用いて信頼性の高い解を得るには委託に頼らざるを得ない現状を招いているのではないでしょうか.さらに,研究者ですら応用分野への適用において,所有しているソフトウェア資産等に縛られて常に適切な選択をしているとは限りません.本講習会は代表的な計算手法の適合性を簡潔に説明することによって,計算対象に適した手法の選択に指針を与えるものです.今後,本講習会をシリーズ化することにより,商用コードをすでに導入されている方,これから導入を考えている方,また,CFDコードの作成に取り組む研究者・学生に対して,随時,有用な知識・ノウハウを供給していきたいと考えております.
【プログラム】
9:20~ 9:30 挨拶・諸説明
福島 直哉(東京工業大学)
9:30~11:00 「CFDを実施する際に特に留意すべき点」
加藤 千幸(東京大学生産技術研究所)
本講義では,設計業務や研究業務にCFDを適用して期待した成果を得るために理解しておく必要があることに関して概説する.特に,解析目的の明確化,解法やソフトウェアの選択,境界条件や各パラメータの設定方法、結果の判断方法などに関して解説する.
11:10~12:40 「CFDにおける知的可視化の基礎」
白山 晋(東京大学大学院)
本講義では,流体計算における可視化の現状や問題点(可視化するデータの選択,可視化手法の選択,可視化結果の解釈などの可視化プロセスの現状やその問題点)から知的可視化までを概説する。
12:40~13:40 CFDベンダーによる展示(昼休み,予定)
13:40~15:10 「物理モデルの基礎と選択法」
山本 誠(東京理科大学)
乱流等の2次的な現象を含む流れの解析において,厳密な方程式を直接解くことは実用性に乏しい.従って,これらの影響を簡便に表現するための物理モデルを計算に導入するのが一般的である.本講義では各種物理モデルの,流れ場に対する予測性能の差異や計算コストについて説明する.
15:20~16:50 「熱流動場のモデルとその選択法」
須賀 一彦(大阪府立大学)
熱流動場のCFD解析についての注意点や乱流熱流動モデルについての基礎から最新の話題までを分かりやすく解説します.そして,応用計算をするにあたって実用の観点からは,何処に注意して何を選択したら良いかの指針を示します.
16:50~17:20 「CFDベンダーによるショート・プレゼンテーション」
当日展示会に出展するCFDベンダー数社(予定)
18:00~20:00 懇親会(予定.懇親会費は別.詳細は講習会申込者に別途連絡.)
なお,本講習会は講習会参加者に限って,教材の電子ファイルを提供いたします.(講師が了承した場合に限る)奮ってご参加ください.
【定 員】
60名程度.申込み先着順により定員になり次第締め切ります.