大気圧プラズマによる環境対策に関する特別講演会 ―健康社会・環境改善のための最先端プラズマ技術―
【開催日】
2013年5月8日(水)13.00~17.15
【趣旨】
大気圧下で省エネルギーに形成できる大気圧低温プラズマは,近年,環境対策,医療技術,表面処理に対する有力なツールとなってきています.適用範囲は燃焼機器,エンジン,殺菌装置,空気清浄機,成膜,表面処理など多岐にわたり,現在新興国で問題となっているPM2.5除去のための有効な手段でもあり,環境保全型機械の開発に関連して幅広く活用されつつあります.
本講演会では,環境,医療,表面処理という大気圧プラズマの三大産業応用分野を中心に,産業界のニーズに対して講演者が直接携わった研究を主要なトピックスとして取りあげ,幅広い応用を基礎から平易に解説します.プラズマ処理に興味をもつ技術者,研究者,学生の方々はもちろん,すでにこの方面の開発に携わっておられる技術者の方にとっても有益な内容となっております.
【キーワード】
大気圧プラズマ,環境技術,医療機器,表面処理,燃焼機器,殺菌装置,プラズマ応用装置,空気清浄機,美容機器,エアコン,脱硝・脱硫,燃料電池,亜酸化窒素,水銀処理,バイオ・医療応用,プラズマ滅菌,プラズマ医療,生体適合処理,フッ素樹脂,プラスチック,ガラス,金属材料,接合・接着
【題目・講師】
13.00~14.00/「大気圧プラズマの産業応用に関する技術動向」
文部科学省 科学技術政策研究所 上席研究官 浦島邦子
大気圧プラズマ技術を採用した空気清浄機や掃除機,エアコン,美容機器などが販売されていますが、その効果の有無についてはマスコミでたびたび取り上げられています。またPM2.5に関する関心も再度高まっています。PM2.5に関する世界各国の情勢や製品の実例を俯瞰的にレビューし,解説します.
14.00~15.00/「大気圧プラズマを用いた大気環境保全(NO, SO2, N2O, H2, Hg)における応用技術
岐阜大学 大学院工学研究科 環境エネルギーシステム専攻 准教授 神原信志
大気圧プラズマを用いてアンモニアを励起し低温で無触媒脱硝・脱硫を行う技術,室温の亜酸化窒素(N2O)を大気圧プラズマで処理する技術,燃料電池排水素を大気圧プラズマで無触媒燃焼する技術,排ガス中に含まれる水銀にオゾンを注入し,石膏に固定する技術について解説します.
15.00~15.15/(休憩)
15.15~16.15/「プラズマ複合排ガス処理技術の基礎と産業応用」
大阪府立大学 大学院工学研究科 教授 大久保雅章
プラズマ複合技術を用いたエンジンとボイラの燃焼排ガス処理にスポットを当て,その基礎原理,技術詳細,応用事例,今後の展望を解説します.また,近年,ヨーロッパ,中国,韓国,日本で排ガス規制強化,PM2.5対策,後処理の新しい展開が芽生えてきていますが,その技術動向の解説も行ないます.
16.15~17.15/「大気圧プラズマによる病原性微生物殺滅法と医療応用」
東北大学 流体科学研究所 教授 佐藤岳彦
ウィルスなどの病原性微生物による感染問題が世界各地で顕在化している中,低温プラズマを利用した感染対策が注目されています。また,医療分野においては,プラズマ殺菌技術を基盤とした治療法の開発が進んでいます。これらの世界各国の最先端の研究や実用化例を紹介するとともに,その原理を解説します。
【定員】
40名(申込み先着順,定員になり次第締め切ります)