一般社団法人 The Japan Society of Mechanical Engineers

メニュー

基礎教育講習会‐エンジン技術の基礎と応用(その26)

2013年11月22日 | エンジンシステム部門講習会No.13

【協賛(予定)】
自動車技術会,石油学会,日本燃焼学会,日本マリンエンジニアリング学会, 日本内燃機関連合会,日本ガスタービン学会

【趣旨】
本基礎教育講習会は,将来のエンジン技術を支える企業の若手技術者や学生を対象として,エンジン技術の基礎と応用に関わる幅広い分野の実用的な知識を提供し,教育することを目的として企画しております.今回は,エンジン巡礼に見る技術思想,火花点火機関の燃焼と熱効率改善のための課題と対策,エンジントライボロジーの基礎とその計測技術及び最近の研究動向,排ガス計測の基礎と最新の計測技術,3次元燃焼シミュレーションの基礎と応用など,将来のエンジン技術開発のキーポイントとなる事項について,実務に即した基礎的内容の講習を企画いたしました。是非,若手技術者の育成にご活用下さい.
なお,昨年度に引き続き,本年度も東京会場にて1回のみの開催となります.

【題目・講師・司会】
[司会:相澤 哲哉 明治大学] ≪午前≫
9.00‐9.05/挨拶 基礎教育講習会企画委員会 委員長 三原 雄司(東京都市大学)

9.05‐10.15/(1)エンジン巡礼に見る技術思想
世界で初めて稼働した内燃機関は1806年のニエプスのエンジンである.このエンジンは,初めて熱効率の基本を説いた1824年のカルノーの論文に登場し,ルドルフディーゼルに想念(野心)を抱かせる.カルノーの原理を化学反応などの現象に拡大する試みが,1878年ギブスによって成されたが,ギブスのエネルギーを如何に大きくするかということが今日のエンジンの課題で,その一つが低温燃焼であり,熱損失の低減である.その旗手たらんとして2011年に登場したアキーテスのエンジンの原点は1877年のキンダーマンの対向ピストンをベースにした1908年のユンカースディーゼルエンジンである.これらの巡礼先の幾つかのエンジンを拝み,それらから学ぶ技術者の理念について私見を述べたい.
講師 元・日野自動車工業副社長/技監  鈴木 孝

10.25‐11.35/(2)火花点火機関の燃焼と熱効率改善のための課題と対策 
一般的な火花点火機関の燃焼は,燃料と空気の予混合気がスパークプラグで点火された後は火炎伝播によって継続される.予混合燃焼のため当量比を理論空燃比に保てばすすの発生はなく,三元触媒と併用することで排ガス清浄化が容易に行える.一方,熱効率改善のために高圧縮比化を行うと,燃焼室末端部で未燃混合気が自着火し,ノッキングが発生する.熱効率を改善するには,ノッキングの回避,低負荷時のポンピングロス(吸気行程中に混合気量を絞ることによる絞り損失)低減,NOxが発生しない超希薄燃焼,ポンピングロスがなく大量のEGR(排ガス再循環)による超希釈燃焼,予混合均一圧縮自着火燃焼(HCCI),点火性を維持しながら超希薄燃焼を実現するための層状給気燃焼を実現する必要がある.これらについて解説すると共に,その他講演者が行ってきた研究事例について紹介する.
講師 千葉大学大学院工学研究科 人工システム科学専攻  森吉泰生

11.35 – 11.50/全体質疑(午前の部)

≪午後≫
12.50‐14.00/(3)エンジントライボロジーの基礎とその計測技術及び
最近の研究動向について
エンジンの排出ガス規制は年々厳しくなり,燃費規制やCO2規制が施行されている.このような状況において新しい燃焼システムや熱損失の一層の低減及び摩擦損失の低減に対して新技術が次々と導入され,環境への適応と共により一層の熱効率の向上が求められている.摩擦損失の低減は非常に重要な技術であり,ピストン系や軸受系などに代表されるエンジン摺動面の形状,コーティング,表面テクスチャリングなど新しい技術の導入が進められており,環境対応型エンジンにおけるトライボロジーは益々重要なキーテクノロジーとなっている.ここでは,エンジントライボロジーの基礎について解説するとともに,エンジントライボロジー研究に用いられてきた様々な計測技術の紹介,及びエンジンの要素部品に対する摩擦・摩耗・潤滑に関わる技術の最近の動向について紹介する.
講師 東京都市大学工学部機械工学科 内燃機関工学研究室  三原 雄司

14.10‐15.20/(4)排ガス計測の基礎と最新の計測技術について
近年,環境・温暖化・エネルギー問題に関して,世界規模で同時に議論されるようになってきた.その中で,オンロード・ノンロードに関わらず,エンジンを通して排出される規制物質,或いは未規制物質の更なる低減目標が各国で掲げられている.研究者,技術者は,その低減目標に向け日夜研究開発を続けている中,その一端を担う計測器においても高安定,高精度要求に伴う改良技術や最新技術を取り入れた計測法の開発がされてきた.ここでは,多様化してきた排ガス計測において,各種分析計の原理から排ガス・PM質量計測(CVS法)システムの基礎を体系的に解説する.また新しい計測技術として着目されているレーザーを用いた排ガス計測技術についても紹介する.
講師 株式会社堀場製作所 東京セールスオフィス  木原 信隆

15.30‐16.40/(5)3次元燃焼シミュレーションの基礎と応用
環境への配慮が高まる中,エンジンの更なる高効率化が求められ, 数値計算の果たす役割は,エンジン性能予測・筒内流動解析など多岐にわたり,年々重要度を増している.内燃機関における三次元シミュレーション技術は,計算機の進歩も加わって急速に発達し,筒内流動および混合気分布解析等,エンジンの研究開発に多く適用されている.ここでは,筒内ガス流動,噴霧,燃焼のモデル概要と検証結果について解説し,それらを組み合わせた実際の燃焼シミュレーションの例について紹介する.
講師 日産自動車株式会社パワートレイン開発本部  寺地 淳

16.40‐16.55/全体質疑(午後の部)

16.55‐17.00/閉会挨拶 基礎教育講習会企画委員会 幹事 倉地 克昌(ダイハツ工業〓)
 
【定員】
60名,申込先着順により,定員になり次第締切ります.

【申込締切日】
2013年11月12日

会場
(株)堀場製作所 東京セールスオフィス エクセレントホール
[東京都千代田区神田淡路町2-6,神田淡路町2丁目ビル /電話(03)6206-4722/JR中央・総武線「お茶の水」駅徒歩5分,丸の内線淡路町駅徒歩3分]
会場URL
http://www.horiba.com/jp/contact-us/
参加登録費

会員15,000円(学生員5,000円),会員外25,000円(一般学生7,000円),いずれも教材1冊分の代金を含みます.尚,協賛団体会員の方も本会会員と同じ取り扱いとさせていただきます.

【教材】
講習会に参加されず教材のみご希望の方は1冊につき会員3,000円, 会員外4,000円.教材のみを入手ご希望の方は https://www2.jsme.or.jp/fw/index.php?action=kousyu_index
よりお申込み下さい.

申し込み先

本会ホームページhttp://www.jsme.or.jp/kousyu2.htmよりお申込みください.または,本会ホームページhttp://www.jsme.or.jp/gyosan0.htmより行事申込書をプリントいただき,必要事項をご記入の上,FAX03-4335-7617でもお受けしております.開催日の10日前までに聴講料が着金するようにお申し込み下さい.以降は定員に余裕があれば当日会場受付とさせていただきます.聴講券発行後は取消しのお申し出がありましても聴講料は返金いたしかねますのでご注意願います.

問い合わせ先

一般社団法人 日本機械学会
(担当職員 加藤 佐知子)
電話03-4335-7613

イベント一覧へ