一般社団法人 The Japan Society of Mechanical Engineers

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日本機械学会連続講座「法と経済で読み解く技術のリスクと安全」~社会はあなたの新技術を受け入れるか~第5回 安全と自己決定

2013年11月15日 | 法工学専門会議特別講演会

【開催日】
2013年11月15日(金)17.30~19.30

【第5回 講師】
中西 準子 (産業技術総合研究所 フェロー)

【第5回講演趣旨】
今年の6月,筆者は産総研のイノベーションスクールで,若い技術者に向けて「安全とは何か?皆さんは自分で安全を判断できますか?」というタイトルの講義をした.技術を発明したり,使ったり,または,選択する意志決定に携わる方に,今,一番言いたいことは,このことである.多くの人が,安全とは外から与えられる基準だと思っている,少なくとも日本では.それで,いいか,自分で決めなくていいのかということである.
もし,本当に世界で一番新しい技術を生み出したとしたら,既存の安全基準に抵触することは許されないが,どこまで世の心配に応えるかということも含めて,安全を自己判断して,市場に出さざるを得ない.その時には,リスクと利益(技術がもたらす利益で,企業の利益ではなく,国としての利益)とのバランスを考え,何らかの判断をしなければならない.それは,技術に関係する人の責任でもあり,権利でもある.また,技術の内容を知らない人にはできないことである.それができないなら,世界一の技術をだすこともムリだということである.
かたや,日本の法律を見ると,実に不思議なことに,新規技術を市場に出すことを審査する法律の多く(化審法とか,農薬取締法など)には,危険性規制一本槍で,利益とのバランスという考え方がない.つまり,わが国の法律には,リスク管理と新規技術という視点で見ると,大きな欠陥がある.技術のmeritを社会に生かそうとする人たちによる,自分達自身による安全基準,リスク評価についての自己主張がないから,こうなるのである.
自己決定と言っても,関係者が勝手にリスク評価やそれに基づく意思決定をしていいかと言えば,それは違う.個別の法律や規則はないが,その基礎をなす,大枠を決める共通の安全概念みたいなものは必要だし,それを作らなければならない.筆者が研究対象にしている,リスク評価とかリスク論もそれを目標にしている.
化学物質のリスク評価・管理,ナノ材料のリスク評価,さらには,福島で起きた原発事故による放射線のリスクとその対策などを例にして考えていきたい.

【本連続講座の開催主旨】
福島第一原子力発電所の事故は技術の安全性に対する人々の信頼を失わせた.しかし,技術なしに現代社会は成り立たない.また,介護ロボットのような新技術は私たちの生活の質を向上させることが期待される.一方で,技術にはリスクがつきまとう.介護ロボットの誤作動で被介護者が死傷することもあり得る.社会に利益をもたらすとともに,リスクを内包する技術はどのような条件の下で社会に受け入れられるのだろうか.リスクが現実化したとき,技術者の責任は問われるのだろうか.今,新技術の開発に従事する技術者の胸に去来するこのような疑問に,現在の法制度のみならず,法と経済学,正義論なども視野に入れて,体系的に答えようという野心的な試みからこの講座は生まれた.技術のリスクと安全に関心のあるすべての技術者に是非聴講していただきたい.
なお,本講座は,日本機械学会が,(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構のご支援のもと,毎月1回程度の連続講座として,受講料無料で開催するものであり,出席率の高い受講者には,修了証書を付与する.

会場
日本機械学会 会議室(東京都新宿区信濃町35 信濃町煉瓦館5階)
参加登録費

無料

申し込み先

【新規申込方法】
日本機械学会連続講座参加申し込みと題記のうえ,(1)氏名,(2)会員・非会員(会員の場合会員資格・会員番号),(3)学校又は勤務先,(4)連絡先(電話番号,e-mailアドレス)を明記の上,下記申込先までE-mail又はFAXにてお申し込みください.なお,一度申し込みを受付し登録をされた方は,それ以降の講座に継続的に出席出来ますので,毎回申し込みをする必要はありません.

問い合わせ先

【問合せ・申込先】
日本機械学会事業企画グループ 担当 荒木弘尊
電話(03)5360-3506/FAX(03)5360-3508
E-mail: nedoproj-lt@jsme.or.jp

関連サイト
http://www.jsme.or.jp/InnovationCenter/nedoproj-lt/

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