特別講演会「超臨界流体を利用した分離および反応プロセス」
【講 師】
名古屋大学大学院 化学・生物工学専攻 分子化学工学分野
教授 後藤 元信
【概 要】
超臨界流体は温度と圧力が臨界点を超えた非凝縮性流体であり、密度などの物性を温度と圧力のみで大幅に変えることができ、低粘性、高浸透性などのため微細構造に浸透できる。超臨界流体はその優れた溶媒特性のために分離溶媒、反応場、材料調製場として広く利用されている。商用プラントとしては、コーヒーの脱カフェインやビールのホップの抽出プラントは古くから稼働しているが、染色やナノ粒子調製なども最近実用されている。
ここでは超臨界流体・亜臨界流体の基礎的特性の解説をはじめ、抽出分離技術への適用、微粒子、ナノ材料調製への適用、反応場としての応用などについて解説し、実用化が進んでいる各種応用技術について概説する。さらに、新規な分野として、我々が研究を進めているプラズマ技術への超臨界流体の適用についても説明する。