日本機械学会中国四国支部 特別講演会 「急を告げる二次電池業界の現状と今後の方向」
【講師】
旭化成グループフェロー 理事
吉野よしの彰あきら
【趣旨】
リチウムイオン二次電池は商品化されて約15年経過した.その間に携帯電話,ノートPC等のIT機器の電源として小型民生用途分野を中心に大 きな市場を形成してきた.また,技術的にも大きな進歩を遂げ,例えばエネルギー密度は商品化時の200Wh/Lから600Wh/Lと3倍になった.価格的 には300円/Whから22.5円/Whと大幅なコストダウンを実現させてきた.こうした小型民生用での15年間の市場実績をもとに,これからは電気自動 車(Electric Vehicle)やエネルギー貯蔵システム(Energy Storage System)といっ た中・大型電池用途分野への展開が進みつつある.このように環境・エネルギー問題という大きな社会的課題に対する解決手段の一つとしてリチウムイオン二 次電池は重要な責任を負っている.本講演ではこのリチウムイオン二次電池の開発経緯と急を告げる現在の状況,今後の方向について述べる.