イブニングセミナー(第172回) 世界と日本の揚水器(機)・ポンプの歴史
【開催日】
2014年5月28日(水)18.00~20.00
【趣 旨】
技術はいま,資源,環境問題をはじめ,巨大化とブラックボックス化による人間疎外の傾向に関して多くの批判にさらされている.技術が受け入れられて発展するのも,拒絶され衰微するのも,また技術者の社会的地位のあり方も,社会との深い関わりの中にあることは明らかである.われわれが新しい時代を担う責任ある技術者であろうとするならば,人間についての深い洞察を持つとともに,社会の動きを正しく見極めなければならない.技術と人間,技術と社会の関わりについて現状を理解し,将来を展望することを目的とする.
【テーマおよび講師】
揚水器(機)・ポンプは古代から現代まで利用され続けている唯一の機械で,中世頃までは人々の生活に最も必要な重要機械でした.時代を代表する科学者や技術者たちが開発に大勢参加しています.何れの国でも農業への利用で大掛りな揚水機械を使用していました.動力的には奴隷の仕
事時代,人の一生が水汲み作業のみに終わる時代も永く続いていました.エジプトのアレキサンドリアの古代都市地下墓地にある世界最古の機械装置絵は,サキア-と呼ばれる揚水機械でした.日本の揚水機械は中国からもたらされましたが,実物絵はなく中国絵画に学び発展した四季耕作
図等から姿を見る事が出来ます.また,日本が激しく変革した明治維新では,想像を超える欧米の揚水技術を知り農業鉱山水道等へポンプが輸入されました.日本のポンプ技術は①輸入ポンプ補修・模倣製造,②新機種開発・第2次大戦時には欧米を凌ぐ機種も出現,1955年頃からは世界ポンプ市場へ進出,覇権を握るまでに発展した時代もありました.
講師:富澤清治(ポンプ設備研究所 所長)
<懇親会> 大学近くの「パブレストラン アミ」にて,講師を囲んで懇親会を行います.
会費 3 000円程度
次回予定:2014年6月25日(水)18.00~20.00