「1DCAE概念に基づくものづくり設計教育(第三弾):機械のデザインのための1DCAE」
2014年6月26日 - 2014年6月27日 | 設計工学・システム部門講習会No.14
趣 旨
従来の構造を起点とした“機械の設計”の枠を超えて、機械の新しい価値創造のための機能を起点とした“機械のデザイン”を目指して,より広範囲で,より柔軟に設計が可能な1DCAE設計手法を提案・推進している.1DCAEを用いることによって,短期間で低コスト・低リスク・高性能で価値ある製品の開発が可能となる.
本講習会では,第一弾(1DCAE設計のための4つの力学),第二弾(原理・原則に基づく1DCAE設計)に引き続き、1DCAE概念に基づくものづくりを実現するための第三弾として、“機械のデザインのための1DCAE”を可能とする手法を学習・体験する.本講習会の受講を通して,機械のデザインを行う際の考え方,手法の理解ができるとともに,実際の設計問題に際して,目標設定,具体的手順の策定,設計プロセスの実行ができることを目指す.
1日目 6月26日(木)
1.10:00~11:00 「導入:ものづくりとひとづくりのための1DCAE」
革新的なものづくりを実現するための1DCAEの考え方,適用方法,適用事例を紹介するとともに,これを支えるひとづくり(工学教育)のあるべき姿について言及する.
株式会社 東芝 大富浩一
2.11:00~12:00 「応用:Must設計と1DCAE」
1DCAEが対象とする3つの設計のうちMust設計について紹介する.設計上流段階でリスクを予測,未然に防ぐことがMust設計の目的であり,その具体的方法に関して説明する.
東京大学 平岡洋二
3.13:00~15:00 「基礎:音振動の1DCAE」
“ピークを下げる・周波数を移動させる”といった従来の音振動技術から“全体のレベルを下げる”音振動の1DCAEを実現するためには音振動の伝わり方を本質的に理解していることが重要である。このための考え方・方法を紹介する.
神奈川大 教授 山崎徹
4.15:00~17:00 「事例:設計工学と1DCAE」
設計工学は大学での研究・教育として重要な分野である.そこで,1DCAEの視点で,統合設計のためのモデル化,事業経営,ビッグデータ,創造設計,メカトロ設計等の事例を紹介,これらを通して 1DCAEの可能性,課題を明らかにする.
山口大学 准教授 古賀毅
2日目 6月27日(金)
5.9:00~12:00 「基礎:材料・プロセス選定のためのAshby法と1DCAE」
設計において材料・プロセス選定は重要である.ケンブリッジ大のAshby先生が提案されている材料・プロセス選定のための設計法(Ashby法)は1DCAEの考え方との共通点が多い.Ashby法の考え方,適用法を説明するともに,適用事例を紹介する.
アリモテック 有本享三,株式会社 日立製作所 山崎美稀
6.13:00~16:00 「演習&実習:Modelicaで学ぶ1DCAE」
1DCAEの考え方を実践する方法は各種各様である.一方,1DCAEの基幹となる物理モデリングはModelica言語に準じるのが標準となっている.そこで,問題設定,モデリング,シミュレーションのプロセスをOpenModelicaを用いて講義,実習する.
東京大学 平岡洋二,株式会社 東芝 大富浩一
7.16:00~17:00 「応用:機械のデザインのための1DCAE」
機械をデザインするとはどういうことか,何のために機械をデザインしなければならないのか、その本質に迫るとともに,機械のデザインを行うための1DCAEを提案する.
株式会社 東芝 大富浩一
17:30- 交流会(JR信濃町近辺で実施します)