【趣　旨】
従来，ばねや歯車等の機械要素の疲労寿命改善に適用されてきたショットピーニングは，装置や投射粒子の改善によってより微細な粒子が投射可能となり，微粒子ピーニングとして従来のピーニングとは区別され，新しい表面改質手法として適用が検討されています．学術的にも，投射表面近傍組織の微細結晶化や投射粒子転写成分による表面への機能性付与など新しい知見も見出されております．特に，表面近傍の硬質化とマイクロディンプルから構成されるテクスチャの付与といった複数の工程が同時に処理できるなど，微粒子ピーニングは摩擦特性改善のための表面改質技術としての応用が期待される手法です．
本講習会では，微粒子ピーニングに造詣の深い2名の研究者をお招きして，「微粒子ピーニングに関連する最近の動向」と「ショットピーニングの実用例」について，研究開発における最新情報や統合化されてきた知識，ピーニング技術利用の勘どころなどについてご講演いただいた後に，実際の投射粒子および投射装置の製造工程の見学と，表面改質用微粒子ピーニング処理の実演を実施します．

【次　第】
10.00　開会の辞
10.10　「高温下での微粒子ピーニングとその効果」 慶應義塾大学　小茂鳥潤
10.55　「宇宙用波動歯車装置の潤滑法と長寿命化事例」宇宙航空研究開発機構　間庭和聡
11.40-12.40　昼食
12.40-16.20　工場見学（伊藤機工・ＩＫＫショット）と微粒子ピーニングの実演
16.20-16.40　総合質疑応答
16.40　解散

【定　員】
30名，申込先着順により定員になり次第締め切ります．