東北地区特別講演会 「分子ロボットの制御 ~理論と実験」
2014年11月25日 | ロボティクス・メカトロニクス部門
(企画)
ロボティクス・メカトロニクス部門
計測自動制御学会システム・情報部門調査研究会「分子ロボティクス研究会」
(協賛)
新学術領域「感覚と知能を備えた分子ロボットの創成(分子ロボティクス)」
【開催日】
2014年11月25日(火) 14:00~17:10
【プログラム】
(1)14:00-15:00
「分子集合体からプロトセルへの道」
講師:東北大学 大学院理学研究科 今井正幸 教授
(新学術領域「ゆらぎと構造の協奏」計画研究代表者)
細胞型生命を特徴付ける最も根源的な3つの要素、1)身体、2) 代謝、3) 遺伝、をもつ仮想的な細胞はプロトセルと呼ばれる。我々は、その物理モデルの構築に向けて研究を進めており、両親媒性分子の形状とその分布を連携させることにより、膜輸送・自己生産など機能をベシクルを用いて再現する事に成功してきた。そこで、次のステップとして、このような膜変形系と化学反応系の連携を考えている。その為の基礎となる化学刺激によって誘起されるベシクルのダイナミクスについて紹介する。
(2)15:20-16:10
「生化学反応系における積分制御器に関する研究」
講師:九州工業大学 情報工学研究院 システム創成情報工学研究系 中茎 隆 准教授
細胞内シグナル伝達系には、特定のタンパク質の濃度を一定に保つための仕組みが備わっている。たとえば、大腸菌の走化性タンパク質は、受容体のメチル化を利用した積分制御によって濃度調整が行われている。本発表では、DNAハイブリダイゼーション反応を用いて設計可能な積分制御器について報告する。
(3)16:20-17:10
「分子ロボットの自律制御に向けて: ナノ反応場デザインによるDNA-蛋白質ハイブリッドナノシステムの構築」
講師:東京大学 大学院新領域創成科学研究科 多田隈 尚史 助教
自律動作する分子ロボットの構築には、素子やシステムの合理的設計が重要である。しかし、生物を用いた素子やシステムの設計では、従来は経験則による部分が多かった。本講演では、DNAナノ構造の精密分子配置技術を用いた、小胞輸送素子や遺伝子発現システムの合理設計の試みを紹介する。