特別講演会「エロージョンとその応用による材料表面強度評価法の開発」
【講 師】
福井大学 理事・副学長
岩井善郎
【概 要】
トライボロジー分野の中でエロージョンは、「硬質粒子を含む流体との相対運動による固体表面の損傷」と定義されていて、ポンプやタービンなどで問題になる。一方、エロージョンによる損傷挙動を制御することによって、材料表面の加工、硬質化や機能性の付与を実現できる。
ここでは、主として固体粒子の衝突によるエロージョン現象を解説する。また、講演者らが開発した微小な固体粒子の投射によるマイクロ・ナノスケールのエロージョン(マイクロスラリージェットエロージョン:MSE)を利用した硬質薄膜の特性や各種材料の表面層の劣化などを評価する手法(MSE法)を説明し、硬質薄膜の表面強度を表面から内部までシームレスに評価できた事例、材料表面の劣化を評価した事例などを紹介する。併せて、これらの評価技術の開発における産学共同研究やイノベーションなどについても述べる。