講習会「シミュレーションのV&Vと CFDのベンチマーク動向」
【開催日】
2015年12月15日(火) 9:30 ~ 16:50
【協 賛】
日本流体力学会,自動車技術会,日本航空宇宙学会,可視化情報学会,ターボ機械協会,日本ガスタービン学会,日本計算工学会, 日本シミュレーション学会
【趣 旨】
エンジニアは研究, 開発と設計で幅広くシミュレーションツールを利用しますが, シミュレーションの結果の真偽に一度は疑問を感じたことがあるかと思います. 検証と妥当性の確認を意味するV&V(Verification and Validation)はツールの結果の品質を確かめる方法論であり, 本講習会では, シミュレーションの V&Vを取り上げます.
海外ではASME(American Society of Mechanical Engineers), 国内では日本計算工学会と日本原子力学会のV&Vの動向や航空宇宙分野での研究・開発の場での取組みの具体例の紹介等, 国内外の情勢を広く学べる機会です. また, 流体機器の主要な設計ツールのCFD(Computational Fluid Dynamics)の自動車技術会における多くの企業が参加しているベンチマークを紹介いただき, 業界全体へ活動を広げる取組みを見てみたいと思います.
本講習会は,主に企業のエンジニアや学部・大学院の学生の方々を対象としております. 多数のみなさまの参加をお待ちしております.
【プログラム】
9:30~ 11:00 「V&Vの概要と国際的情勢」
横浜国立大学大学院環境情報研究院 山田 貴博
V&V(Verification and Validation,検証と妥当性確認)は,近年,数値シミュレーションの信頼性を確保するための標準的な手法となっている.本講義では,まずV&Vの考え方と現在提示されている各種のガイドラインの概要について説明する.また,具体的にV&Vの実施において用いられる各種の手法と典型的なV&Vプロセスについて解説する.さらに,ASMEを中心とした海外における規格化の動向について紹介する.
11:10~12:40「V&Vの国内情勢」
東京大学大学院工学系研究科 越塚 誠一
工学シミュレーションに対する検証と妥当性確認(Verification and Validation, V&V)の国内における標準について紹介する.具体的には,日本計算工学会による品質V&Vに関する標準および日本原子力学会によるモデルV&Vに関する標準のポイントや適用例について解説する.
13:40~15:10 「航空宇宙分野(JAXA)でのV&Vへの取組み事例」
宇宙航空研究開発機構 田口 元
シミュレーションのV&Vはシミュレーション結果の品質を保証するとともに不確かさ定量化手法(UQ:Uncertainty Quantification)と組み合わせることによって, 製品開発計画の策定等における意思決定に非常に有益な情報を提供することが可能となる. 本講義ではJAXAが技術実証ロケットエンジン「LE-X」研究において取り組んできたシミュレーションのV&Vとその不確かさ定量化の事例, 及び, シミュレーションにおける不確実性を開発プロセスの中でマネジメントしていく工学的アプローチについて紹介する.
15:20~16:50 「CFDベンチマークへの取組み(自動車技術会CFD技術部門)」
木更津工業高等専門学校 伊藤 裕一
今日,CFDは自動車の開発過程において必要不可欠なツールとなっている.CFDをはじめとするシミュレーションソフトウェアもそのニーズに合わせ高機能化・高性能化が進められており,また,オープンソースソフトウェアの台頭も目覚ましい.このような環境の中,CFD技術者には,より高性能なソフトウェア,よりコストパフォーマンスに優れるソフトウェアを適切に選択し,適切に使用することが求められている.
このような背景を受け,自動車技術会 CFD技術部門委員会では,その活動の一環として 1996年頃からCFDソフトウェアベンチマークを継続的に実施している.本講義ではその取組について紹介する.
【定 員】
60名程度.申込み先着順により定員になり次第締め切ります.
【教 材】
教材のみ希望の場合は,Web (http://www.jsme.or.jp/kousyu2.htm) からお申し込み下さい.1冊につき,会員3,000円,会員外5,000円にて頒布いたします.(講習会終了後は、在庫がある限り販売いたします).