日本機械学会中国四国支部では，従来の講習会を見直すことで支部会員および地域へより大きく貢献することをめざし新しい形式の講習会「機械工学の基礎講習会」を企画しました．中国四国地域の企業が社員教育等で利用できるような基礎的な講習会を永続的に実施することを目的とし，新入社員教育から経験を積んだ後の再教育に対応できるように，初級から上級までの機械工学の基礎分野の講習会を実施します．今回も振動工学（初級コース）の講習会を企画しました．参加者を少人数に絞り講師との質疑応答等を通して十分に理解できるようにします．

【対象】
振動工学の基礎を学びたい方，復習が必要になった方，企業での新人教育　等．

【講師】
徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部　教授　日野　順市

【次第】　
11月11日（木）
【午前】9:30～12:00
A．振動学について
〔振動工学が何故必要か．振動の種類および用語，利用する数学公式について復習する．〕
B．１自由度系の自由振動
〔減衰のない１自由度系についての運動方程式から解を求める．減衰のある１自由度系について減衰比が応答にどのように影響するか，対数減衰率とは何か理解する．〕

【午後】13:00～16:30
C．１自由度系の強制振動
〔強制振動における運動方程式の解法，定常応答と共振特性，振動の伝達および絶縁，過渡応答特性について理解する．〕
D．２自由度系の振動
〔運動方程式の導出と固有振動数と固有モード，自由振動解および強制振動解について，動吸振器の原理，モード座標および直交性とモード解析の基礎を理解する．〕

　11月12日（金）
【午前】9:30～12:00
E．連続体の振動
〔2自由度系から連続体へ，棒の縦振動およびはりの曲げ振動の運動方程式の導出と解法，連続体の振動解析法について理解する．〕

【午後】13:00～16:30
F．回転体の振動
〔回転軸のふれ回りとダンカレーの公式，回転軸のねじり振動，つり合わせについて理解する．〕
G．数値解析法
〔コンピュータを利用した振動解析のための数値積分法および固有値問題についての基礎を理解する．〕
H．質疑・応答
〔社会生活および機械技術のなかで振動工学が役に立っていること，講義を通じて理解が難しかったこと，さらに現在抱えている振動工学問題などを討論する．〕