第35回バイオサロン
【題目】
血管内プラークイメージング:医理工連携による研究・開発の軌跡
【講師】
日本大学医学部 内科学系循環器内科学分野 廣 高史
【内容】
近年,生活習慣の欧米化などに伴い,動脈硬化による心血管疾患に罹患する日本人が急速に増加しています.その中で生命に関わる重要な疾患として急性心筋梗塞がありますが,これは心臓を養っている冠動脈が突然閉塞する疾患です.この疾患の発症機序として,冠動脈の壁が局所的に肥厚してできたプラークの表面が内腔に向かって突然破裂して,急激にその部分に血栓ができることが血管閉塞の主因であると考えられています.そこで,その破裂のメカニズムの解明や破裂しやすいプラーク(不安定プラーク)を同定する新しい診断技術として,直接血管内にカテーテルを挿入して光や超音波を用いながらプラークを描出する「血管内プラークイメージング技術」が次々と開発されてきました.本講演では医・理・工連携によりどのように本技術の開発がなされてきたかを,自験例を示しながら解説したいと思います.
【司会】
山口大学 大学院 医学系研究科 斉藤俊