RC-D5
1. 分科会名称 | 『自動車を中心とした振動-騒音解析技術に関する研究分科会』 |
2. 主査名 | 吉村卓也 (首都大学東京 大学院理工学研究科 教授) |
3. 設置期間 | 2008年4月~2010年3月(2年間) |
4. 活動目的・内容 | 近年の環境問題への関心の高まりや,快適性の一層の追求により,機械の振動・騒音低減への要求は益々高まりつつある。特に自動車産業においては,その傾向は大変顕著であり,日本国内の自動車メーカ及び関連企業は,振動・騒音の解析及び対策技術の開発にしのぎを削っている。さらに近年では開発期間の短縮化が進むとともに,燃費改善の目的で車体の軽量化が進んでおり,振動・騒音低減の要求を達成することは容易ではない。一方で,自動車業界の競争は一層激化しており,競争力を維持・向上させるためには,長期的視野に立った体系的・戦略的な取組みが必要である。各メーカで推進している振動・騒音技術の研究開発テーマには類似点が多く,学術的には共通の問題点が多く含まれている。これら諸問題を個別に研究することは大変非効率であり,基盤研究における共通の問題点を整理し,組織横断的な枠組みにおいて学術研究を進めることが必要である。 本研究分科会では,組織横断型のプロジェクトとして,日本の代表的自動車メーカ・関連企業のエンジニア及び大学研究者の参加を得て,自動車を中心とした振動・騒音の解析技術の向上を実現するための研究を推進する。従来,各メーカや技術者単位で進められていた研究を,本分科会により,組織的・体系的に進めることで,国内の研究資源(人材・設備・資金)の統合が可能となり,自動車を中心とした振動・騒音解析技術の国際競争力を維持・向上させることにつながる。 上記目的を達成するために,参加会社全員が参加する分科会を年6回程度企画・実施する。具体的な活動予定は次のとおりである。 【上期 第1年度 (2008年4月~2009年3月)】・ 文献調査を中心として,公開されている技術の現状を調査 ① 他国,自国におけるNV関連プロジェクト研究の現状 ② SAE,JSAE,MSSP,JSV,ASME,JSME等の学会論文, ISMA, IMAC等の講演発表におけるNV対策関連研究の動向 ③ 振動・騒音解析用ハードウェア・ソフトウェア会社の計測機器,解析ソフトウェアの現状 ・ 自動車関連企業の第一線で活躍する研究者による講演 ① 現状の課題の紹介 ② 課題を解決する上で不可欠になるであろう基盤技術の抽出 【下期 第2年度 (2009年4月~2010年3月)】 ・ 動向調査のまとめ |
5. 期待される研究成果 | 工学的効果: 従来,各メーカや技術者単位で進められていた研究を,本分科会により,組織的・体系的に進めることで,国内の研究資源(人材・設備・資金)の統合が可能となり,自動車を中心とした振動・騒音解析技術の国際競争力を維持・向上させることにつながる。波及効果: 振動・騒音解析技術の向上のためには,今後解決すべき研究課題が数多く残されているにも関わらず,大学等の公的研究機関においては,環境,エネルギー,情報等の分野のプロジェクト型研究に,多くの人的・財源的資源が割かれているのが現状である。一方,企業側エンジニアにとっても,現状では事象の対策に追われ,現象の深い理解や洞察力を身につけるために十分な時間を割くことが困難である。本分科会活動により,若手研究者・エンジニアが基礎研究に目を向け,深い理解を得る契機となることが期待される。 |
6. 参加負担金 | 10万円(年間)×2年 |
7. 問合せ先 | 分科会主査: 吉村卓也 首都大学東京 大学院理工学研究科 〒192-0397 東京都八王子市南大沢 1-1 TEL:0426-77-2702 FAX:0426-77-2701 E-mail:yoshimu@comp.metro-u.ac.jp |