エネルギーベストミックスにおける石炭火力の役割とその可能性
2018年6月13日 | 動力エネルギーシステム部門特別講演会主催No.18-65
企画: 動力エネルギーシステム部門
開催日時: 2018年6月13日(水)14:00~16:40
開催趣旨
2011年3月11日の東日本大震災と福島第一原子力発電事故以降,日本での電力供給はその約9割を火力発電に頼っています.
自然災害,地球環境,資源調達など,あらゆる状況を想定し,持続可能なエネルギー供給システムを構築するためには,
様々な発電方法を組み合わせたベストミックスが有効です.政府による長期エネルギー需給見通しでは,2030年の電源構成
において火力発電を全体の56%に抑え,その内訳としてLNG 27 %,石炭 26 %,石油 3 %としています.
しかし,温室効果ガス削減に関するパリ協定が発効されたこともあり,石炭火力発電所の新設に逆風が吹いている現状でも
あります.そこで,動力エネルギーシステム部門 震災対応特別委員会では,エネルギー資源の無い日本での電源ベストミッ
クス,そして石炭火力からのCO2排出量削減のための技術開発状況について東京工業大学名誉教授 岡崎 健 先生,電力中央研
究所 原 三郎 様を講師にお招きした講演会を開催いたします.将来のエネルギー需給についての方向性,技術課題について
広く意見交換したいと考えておりますので,是非ご参加ください.
プログラム
14:00 開会挨拶
14:10~15:10 「低炭素社会に向けた次世代石炭火力発電技術」
講師 原 三郎(電力中央研究所)
講演概要:
石炭火力発電所からのCO2排出量削減に向けた取り組みとして,高効率化技術やCO2回収技術について概説し,当所がNEDOプロジェクトとして取り組んでいるCO2回収型次世代IGCCの開発状況を紹介する.さらに,再生可能エネルギー導入拡大に対応する火力発電の調整力について解説する.
15:10~16:10 「多様性を基軸としたこれからのエネルギー戦略 -エネルギーに係わる歴史的経緯と今後の方向性-」
講師 岡崎 健(東京工業大学)
講演概要:
エネルギー資源の無い日本の今後のエネルギー戦略において,エネルギーセキュリティーと地球環境保全を確保するために,「多様性」を基軸とした新たなベストミックスを構築していくことが必要である.本講演では,エネルギーに係わる歴史的経緯を振り返りつつ,今後の技術革新の方向性について議論する.
16:10~16:40 総合討論