「これからのエネルギー供給システムの合意形成へ向けて」 -リスクの管理とコミュニケーション-
2016年6月18日 | 動力エネルギーシステム部門特別講演会主催No.16
【開催日】
2016年 6月18日(土) 10:00~12:30
【趣旨】
2011年3月11日の東日本大震災と福島第一原子力発電事故以降,日本での電力供給はその約9割を火力発電に頼っている.自然災害,地球環境,資源調達など,あらゆる状況を想定し,持続可能なエネルギー供給システムを構築するためには,様々な発電方法を組み合わせたベストミックスが有効であるが,技術開発だけでなくリスク分析と社会における合意形成が重要である.動力エネルギーシステム部門では,この問題における課題,方策を検討する震災対応特別委員会が設置されている.その活動の一環として,リスクアセスメントおよびコミュニケーションの専門家をお招きした講演会を開催いたします.今後のエネルギー供給システムのありかた,方向性について広く意見交換したいと考えておりますので,是非ご参加ください.
【プログラム】
10:00 – 10:05 開会挨拶
10:05 – 11:05
講演1 「機械安全技術に関する最近の動向」
講師 梅崎 重夫(労働安全衛生総合研究所)
講演概要
労働安全分野では,重大な災害はむしろ増加の傾向にある.この背後にある根本原因について考察を行うとともに,労働安全分野を対象としたリスクアセスメント手法と保護方策のあり方を提案する.具体的には,機械安全国際規格と機械の包括的安全基準の理解,リスクアセスメント,リスク管理,リスク評価,制御安全の考え方など,機械安全の基礎と素養を得ることを目的とする.
11:05 –12:05
講演2 「市民と研究者の相互理解に向けて:コミュニケーションの役割と留意点」
講師 山村 公一(TSコミュニケーション)
講演概要
科学技術の進歩,応用技術の普遍化,そして一般市民の科学知識の向上により,社会基盤に適用される技術の選択は、上意下達ではなく合意形成に基づいておこなわなければならない時代となった.しかしながら市民と研究者の間のコミュニケーションは必ずしもうまくいっていないように思われる.冷静な議論をするため,研究者は誰に語りかけるのかを意識し,わかり易い言葉を選ぶ必要がある.また,市民には科学的根拠に基づいた判断をすることが求められる.コミュニケーションの役割と留意点を認識することにより,市民と研究者の相互理解への道筋を探る.
12:05 – 12:30 総合討論
12:30 – 12:40 閉会の辞