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2018/1 Vol.121

【表紙の絵】
「心ウキウキゆかいな
メロディーメーカー」
吉川 知里 さん(当時9 歳)

前にテレビで見た“日本の町工場で作られたネジや部品が世界で使われている”という話をきっかけに考えていた機械です。
ドアの開閉の力で歯車が動き、その時その気分にあった音楽が流れてきます。
朝は1 日を元気に過ごせるようなやる気の出る音楽、夜は1 日の疲れをとってくれる優しい音楽、
悲しいことがあった時は、なぐさめてくれます。
荷物やお手紙が届くとお知らせチャイムが流れます。

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会長挨拶 夢を紡ぎ、未来を織りなす機械学会へ

会長 大島 まり

 

日本機械学会は昨年、120周年を迎えました。本会は1897年(明治30年)6月12日に創立されて以来、2回目の還暦となる120年の歴史を歩んできました。その間、2回の世界大戦をはじめ、さまざまな歴史的な出来事を経験し、約3万5千人の会員を有する国内有数の学会へと成長し、現在に到っています。しかし一方で、会員、特に若手の企業会員の減少などの課題もあり、解決に向けて取り組んでいく必要があります。

会員にとって魅力のある学会を目指し、また機械工学の特長である横断的総合技術の強みを活かしてイノベーションへとつなげていくために、近年、本会はさまざまな改革を行っています。まず、10年後に機械学会が目指す姿として、新生「機械学会」の10年ビジョンを策定し、それらを実現するための10年の活動方針、アクションプランを設定しました。そして、活動方針およびアクションプランに基づき、中期計画および毎期の運営方針を決めて戦略的に運営することで、本会の抱えている課題に取組み、120周年のその後を見据えて改善を図っています。

2017年度の第95期の運営方針は三つのI、「Inclusion, Integration, Inspiration」です。

Inclusion により多様性およびグローバル化を促進し、Integration により部門および支部の地盤強化を図っています。そして、InclusionとIntegration により、会員および社会に対して「夢を紡ぎ、未来を織りなす機械学会へ」をアピールしてきました。さまざまな改革、例えば、講演発表における発表資格の見直しや、機械学会誌の一新などにより、徐々にではありますが、効果が見え始めており、会員の減少から第95期は増加に転じています。

奇しくも、我が国にとって今年は「平成」最後の年となります。これからの新しい時代が始まります。夢を形にできる機械工学。2017年度(第95期)のテーマでもありました「夢を紡ぎ、未来を織りなす機械学会へ」を目指し、今年も機械学会は活動いたします。

そのスタートを日本機械学会誌2018年1月号では、「新たな価値創造のために~女性活躍と多様性の推進~」を特集として取り上げます。本会の女性会員は、現在約2.3%(2017年2月現在)と非常に少ない状況です。そこで、三つのIの一つのテーマである「Inclusion」を取り上げることで、本会会員だけでなく、女子学生、女性研究者・技術者にとって、将来の進学やキャリア形成について考えるきっかけづくりとなれば幸いです。そして、多様性を持つ学会組織として、国際的な視野から学術界・産業界をリードし、今後ますます複雑化する社会の要請に応えることのできる「場」であり続け、それを担う人材育成に貢献していくことを願っております。

今年もご協力のほど、何卒よろしく御願いいたします。

 

2017年度(第95期)会長 大島 まり

 

 

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